mints magazeine 長門芳郎のマジカルコネクション  

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#036 2008_9月号
●ロビン・ワード
/ワンダフル・サマー
WEA MUSIC
<廃盤>
 不滅のサマー・クラシックス「ワンダフル・サマー」ほか、スタンダードのカヴァー「ムーン・リヴァー」、「ティーチ・ミー・トゥナイト」、「踊り明かそう」、シェルビー・フリントのカヴァー「アイ・ウィル・ラヴ・ユー」、オリジナル・アルバム未収録のシングル曲など。
●PAT BOONE
/PAT'S 49 BIG ONES
CONNOISSEUR
<輸入盤>
 ジャッキー・ワード(ロビン・ワード)参加の「スピーディ・ゴンザレス」ほか、50年代〜60年代のヒット曲満載の2枚組ベスト。
●VARIOUS
/HISTORY OF DOT RECORDS VOL.1
VARESE SARABANDE
<輸入盤>
 ジャッキー・ワード(ロビン・ワード)の可愛い台詞が聴けるデイル・ワードの「シェリーのラブレター」をはじめ、ロビン・ルークの「スージー・ダーリン」、タブ・ハンターの「ヤング・ラブ」ほか、DOTレコード初期のヒット曲を集めたコンピ。
●シェルビー・フリント
/風の吹くまま
ワーナーミュージック ジャパン
WPCR-75416
 ロビン・ワードがカヴァーした「アイ・ウィル・ラヴ・ユー」、自作のヒット曲「エンジェル・オン・マイ・ショルダー」、ヴィンズ・ガラルディ作のタイトル曲ほか、エンジェリック・ヴォイスに癒される。「ワンダフル・サマー」のアレンジャー、ペリー・ボトキンJr.も参加。プロデューサーは,カスケーズを手がけたバリー・デヴォーゾン。
●ANITA KERR SINGERS
/REFLECTS ON THE HITS OF BURT BACHARACH AND HAL DAVID +VELVET VOICES AND BOLD BRASS
COLLECTOR'S CHOICE
<輸入盤>
 アニタ・カー・シンガーズによるバカラック作品カヴァー集。よく聴くと、ジャッキー・ワード(ロビン・ワード)の歌声がわかる。
●パートリッジ・ファミリー
/ヴェリー・ベスト・オブ・パートリッジ・ファミリー
BMGジャパン
BVCM-37649
 ここでもジャッキー・ワードがバックグラウンド・シンガーとして参加している。「悲しき初恋」、「夢みるデヴィッド」、「 悲しき青春」ほか全17曲。


 今から20数年前の初夏のこと。当時、ビクター音楽産業にいらっしゃったオールディーズ好きな長谷川さんから、その頃、来日中のビリー・ヴォーン楽団に同行しているジャッキー・ワードというコーラスの女性が「ワンダフル・サマー」のロビン・ワードかもしれないと、電話があった。そう、ジャッキー・ワードはロビン・ワード(実際の発音に近いのは、ウォードだが)の本名なのだ。早速、招聘元に電話を入れ、ツアー・メンバーにジャッキー・ワードという女性がいるか尋ねると、確かに同行しているという返事。そこで、宿泊先のホテルを教えてもらったのだが、なんと翌日には帰国するという。ビリー・ヴォーンもロビン・ワードも60年代当時、同じDOTレコード所属だったので、おそらく、ジャッキー・ワード=ロビン・ワードに間違いないだろうとは思ったが、とにかく、本人に会って確認するしかない。翌日、新高輪プリンスへ到着すると、ロビーにビリー・ヴォーン楽団のメンバーと思しき団体がいるではないか。どうやらチェックアウトを済ませ、羽田空港へ向かうバスを待っているようだ。その集団の中に50才前後と思われる上品な女性を発見。その彫りの深い、美しい顔立ちにかつて、「ワンダフル・サマー」の日本盤シングルのジャケットで見たロビン・ワードの面影を見いだすことができた。意を決して、“あなたは、ロビン・ワードさんですか?”と話しかけると、その女性は、ニコッとほほえみながら“イエス!”と答えてくれたのだ。ジャッキー・ワードは、本名で、ロビンというのは、1963年当時、4才だった長女の名前だという。スタジオ・セッション・シンガーだった彼女がアレンジャーのペリー・ボトキンJr.の要請で新曲「ワンダフル・サマー」のデモ用に仮歌を入れていた時、その仕上がりがあまりに素晴らしかったことから、そのまま発売することになったのだそうだ。結果、全米14位の大ヒットとなり、以来、世界中のポップス・ファンに愛される夏の定番ソングとなったわけだ。
 パット・ブーンのコミカルなヒット曲「スピーディ・ゴンザレス」でスピーディの声を担当していることやデイル・ワードのヒット曲「シェリーのラブレター」のシェリーの台詞が彼女だということは、ポップス・ファンの間では、よく知られていたこと。ただ名字が同じということから、デイル・ワードとロビン・ワードが兄妹という説がまことしやかに語られていたが、血縁関係はないという。そのほか、出発までの10数分間の短い時間だったが、終始、笑顔で私の質問に答えてくれたロビン・ワード。ヒットしなかったが、「ジョニー・カム・アンド・ゲット・ミー」(『ワンダフル・サマー』に収録)も好きだと言うと、一瞬、“どんな曲だったかしら?”と考えていたが、すぐに思い出し、一節口ずさんでくれたのには、感激したもの。さらにビリー・ヴォーン楽団に同行していたもうひとりのコーラス・シンガー、ジャッキー・アレンを紹介してくれたのだが、ナント!その女性、「ワンダフル・サマー」でコーラスをやっていたのだそうで、これにもビックリ。
 その数ヶ月後、日本では『ワンダフル・サマー』のLP復刻、世界初CD化を実現することができたのだが、プロデューサー/アレンジャーのペリー・ボトキンJr.から“よくぞ再発してくれた!”という礼状が届いたのもうれしかった。

 ロビン・ワードの歌声は、まるでティーンエイジャーの女の子のようにキュートでイノセント。長らく廃盤になっている唯一のアルバム『ワンダフル・サマー』は1曲たりとも駄作なしのガール・ポップのマスターピースである。ぜひ、リマスターのうえ、再CD化してほしいと願っている。
 セッション・シンガーとしての長いキャリアの中、数え切れないほどのレコーディングに参加しており、アニタ・カー・シンガーズ、レイ・コニフ・シンガーズなどのコーラス・グループもの、パートリッジ・ファミリー、カーペンターズ、バーブラ・ストレイザンド、ママ・キャスほか枚挙にいとまがない。そんな彼女へのスコット・オウリーによるインタヴュー、ファンは必読だ。http://www.cmongethappy.com/interviews/jw/index.html

     インフォメーション
  ★偶数隔月で行なってる
    「Pied Piper Days-ようこそ夢街カフェの指定席へ」も
      5年目を迎えました。
    いつもありがとうございます!次回、第29回は、

  ●日時:2008年10月4日(土)17:00-19:30(開場16:30)
  ●場所:東京・ケンウッド スクエア丸の内
  ●出演:長門芳郎(Believe In Magic)/土橋一夫(「Groovin'」編集長)
  ●ゲスト:未定
  ●入場無料/要予約
  ●9月初旬予約開始
  ●ご予約方法:(tel:03-3213-8775/ケンウッドスクエア丸の内まで)
  ●定員:50名(お申込みの順番で立ち見になることもございます)

  ★レギュラー出演中のFM音楽番組『ようこそ夢街名曲堂へ!』
     (FM静岡=K-MIX/STARdigio=スカパー
      /各地コミュニティFM:FMりべーる [旭川市]、FMくしろ [釧路市]、
      VigoFM [山形市]、FM TARO [群馬県太田市]、
      FMわっち [岐阜市]、FMうじ [京都府宇治市])
   も7年目!さらに充実!
   土橋一夫さんと一緒にグッド・ミュージックがんがんかけてます。
   これまでの主なゲスト:
    佐野元春/林立夫/鈴木茂/大貫妙子/村松邦男/伊藤銀次/
    杉真理&松尾清憲/鴨宮諒/中野督夫(SCR)/告井延隆(SCR)/
    高野寛/鈴木惣一朗/SMOOTH ACE/ヒックスヴィル/
    青山陽一/寺尾紗穂/木村ひさし(clingon)/麻田浩/
    山本のりこ/野田幹子/萩原健太/上柴とおる/渚十吾/
    徳武弘文/堂島孝平/白井良明/難波弘之/田中良/
    黒沢秀樹/山口りえ/森勉/ハミングキッチン/辻凡人(ボノボ)/
    瓜生明希葉/アルコライム/岡田徹/直枝政広/イノトモ/
    鈴木祥子/土岐麻子/佐橋佳幸etc(敬省略)

    番組内容/選曲リストは、公式ブログでご覧ください。
    リクエスト歓迎! http://d.hatena.ne.jp/yumemachi/



【長門芳郎プロフィール】

70年代初期から後期にかけ、シュガー・ベイブ(山下達郎/大貫妙子ほか)、ティン・パン・アレー(細野晴臣/鈴木茂/林立夫)のマネージャーとして、コンサート/レコード制作に携わる。70年代末〜80年代末には、南青山の輸入レコード店パイド・パイパー・ハウスの店長/オーナーを続けながら、ピチカート・ファイヴのマネージメント、海外アーティストのコンサートをプロデュース。ヴァン・ダイク・パークス、ドクター・ジョン、リチャード・トンプソン、フィービ・スノウ、ダン・ヒックス、ジョン・サイモン、ローラ・ニーロ、ピーター・ゴールウェイ、NRBQほか多数の初来日ツアーを手がける。80年代末にヴィレッジ・グリーン・レーベル(ポニーキャニオン)をスタートさせ、海外アーティストのレコード制作に携わる。98年からは、ドリームズヴィル・レーベルのレーベル・プロデューサーとして、数多くのアルバム制作を行なっている。以上の仕事の傍ら、70年代から現在まで、数多くの洋楽アルバム/CDのリイシュー企画監修、アート・ディレクションを行い、その総数は700タイトル以上。現在音楽番組「ようこそ夢街名曲堂へ!」にレギュラー出演中。





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