mints magazeine 長門芳郎のマジカルコネクション  

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#032 2008_6月号
■SKEETER DAVIS
/POP HITS COLLECTION
TARAGON
<輸入盤>
「この世の果てまで」、「恋はいじわる」などのオリジナル・ヒットをはじめ、「そよ風のキッス」(チャド&ジェレミー)、「渚のボードウォーク」(ドリフターズ)、「リメンバー〜渚のおもいで」(シャングリラス)、「渚の片想い」(アンドレア・キャロル/ダイアン・レイ)などのポップス・カヴァー満載のコンピレーション。
■SKEETER DAVIS
/LET ME CLOSE TO YOU
BMG JAPAN BVCM-35253
<紙ジャケット限定盤>
ポップ&キャッチーな「恋はいじわる」は、ジョナサン・リッチマン、BMXバンディッツ、マフスなどにもカヴァーされている。ボーナス・トラック3曲追加。
■竹内まりや
/LONG TIME FAVORITES
WARNER MUSIC JAPAN
WPCL-10048
 「この世の果てまで」、「ウォーク・ライト・バック」(エヴァリー・ブラザーズ)、「夢見る想い」(ジリオラ・チンクェッティ)、「ジョニー・エンジェル」(シェリー・フェブレー)、「ボーイハント」(コニー・フランシス)ほか、竹内まりやの音楽ルーツを辿る60'Sポップス・カヴァー集。(2003年作品)
■PATIENCE & PRUDENCE
/THE BEST OF
COLLECTOR'S CHOICE
<輸入盤>
 姉妹の大ヒット曲で、ナンシー・シナトラ、ジョージ・マハリスでもお馴染み「いちごの片想い」、スキーターも歌った「ゴナ・ゲット・アロング・ウイズアウト・ユー・ナウ」など、全24曲のベスト。「いちごの片想い」の別テイクも収録。
■NRBQ & SKEETER DAVIS
/SHE SINGS,THEY PLAY
ROUNDER
<輸入盤廃盤>
 テリー・アダムス、ジョーイ・スパンピナート、スティーヴ・ファーガソン、スキーターのオリジナルのほか、ハンク・ウィリアムズ作品も収録。(1986年作品)
■NRBQ
/GROOVES IN ORBIT
JVC VICP-60845
<紙ジャケット限定盤>
 ベアズヴィル・レーベルからリリースした唯一のアルバム。ジョン・セバスチャン参加。ペイシェンス&プルーデンスの「いちごの片想い」のカヴァー収録。(1983年申品)
■JOHNNY TILLOTSON
/TALK BACK TREMBLING LIPS+THE TILLOTSON TOUCH
ACE CDCHD-331
<輸入盤>
 スキーターがカヴァーしたジョニー・ティロットソン自作の「アナザー・ユー」ほか、「ナイス・ガイ・ジョニー」、「プリーズ・ドント・ゴー・アウェイ」、「ブルー・ヴェルヴェット」(クローヴァーズ/ボビー・ヴィントン)、「悲しき雨音」(カスケーズ)、「風に吹かれて」(ボブ・ディラン)、「愛さずにいられない」(レイ・チャールズ)など。タイトル曲「トレンブリン・キッス」(邦題)が大ヒット。


 日本のポップス・ファンにも長年、親しまれているポップ・バラードの名曲「The End Of The World」。「この世の果てまで」、「世界の果てまで」という邦題でも知られているこの曲、当時、日本のラジオでは、ブレンダ・リーのカヴァー盤がよく流れていた記憶があるが、オリジナルは、女性カントリー・シンガー、スキーター・デイヴィスのヒット曲。カーペンターズ、ジュリー・ロンドン、ハーマンズ・ハーミッツほか、近年では、竹内まりやの名カヴァーでもお馴染みだ。スキーター・デイヴィスのレコードは、1963年に全米カントリー・チャート及びポップ・チャートで、2位まで上がり、イージー・リスニング・チャート、さらにR&Bチャートでも上位にランクされるというジャンルを超えたクロスオーヴァーな成功を収めた。いわゆるカントリー・シンガー特有の小節(こぶし)廻しがなく、素直な歌唱法が幅広いポピュラリティを得た要因なのだろうが、R&Bチャートでヒットしたのが不思議。余談だが、以前、ミンツ・マガジンにすてきなコラムを寄稿してくれていた鴨宮諒くんがMANNAの後、作っていた男女デュオの名前がThe End Of The Worldだった。スキーターの同曲を収めたコンピは、数多くあるが、お薦めなのは、ポップ・ソングを集めた『POP HITS COLLECTION』。
 3月に「ジャケガイノススメ」紙ジャケ・シリーズの1枚として出た『LET ME CLOSE TO YOU』は、1964年のアルバム。ヒットした「恋はいじわる(I Can't Stay Mad At You)」やタイトル曲、シフォンズのカヴァー「Easy To Love」は、キャロル・キング&ジェリー・ゴフィン作。14才と11才の幼姉妹デュオ、ペイシェンス&プルーデンスやテレサ・ブリュワーのヒット曲をリヴァイヴァル・ヒットさせた「Gonna Get Along Without You Now」、エルヴィス・プレスリーでもお馴染み「My Happiness」、ジョニー・ティロットソンのカヴァー「Another You」など、選曲もいい。プロデュースは、もちろんチェット・アトキンス、アレンジは、アニタ・カーの黄金コンビ。
 RCAレコードに多数のアルバムを残したスキーター・デイヴィスだが、80年代半ばにNRBQとの共演アルバム『SHE SINGS,THEY PLAY』を出した時は、意外な組み合わせに驚いた。アル・アンダーソン、テリー・アダムスとそれぞれ1曲ずつ息の合ったデュエットも聴かせており、相性の良さは抜群。名手バディ・エモンズのペダル・スティールをフィーチャーしたスタンダード曲「いつか王子様が」の軽やかなアレンジもゴキゲンだ。スキーターもこのアルバムの出来に満足だったようで、それまでのキャリアの中でも最も誇れる作品だと語っていた。その後、NRBQのジョーイ・スパンピナートと結婚した時は驚かされたもの。ジョーイの紹介で、何度かやりとりをし、当時、日本だけでCD化された『SKEETER SINGS BUDDY HOLLY』をプレゼントした際は、お返しにグランパ・ジョーンズ、ハンク・ロックリン、ジム&ジェシ、ルーヴィン・ブラザーズ、グランド・オール・オプリー・バンド全員など、伝説的なカントリー・アーティストたち数十人のサインをわざわざもらってくれ、感激。残念ながら、ジョーイとは、その後、別れてしまい、彼女との連絡も途絶えてしまった。
 2004年9月19日、長年の闘病生活の後、72才で他界したという報せを聞いたときは、「この世の果てまで」の可憐な歌声と歌詞が脳内でリピート、とてもせつない気持ちになったのだった。

     インフォメーション
  ★『Pied Piper Days-ようこそ夢街カフェの指定席へ』第27回

  ●日時:2008年6月7日(土)17:00-19:00(開場16:30)
  ●場所:東京・ケンウッド スクエア・丸の内
  ●出演:長門芳郎(Believe In Magic)
      /土橋一夫(「Groovin'」編集長/Surf's Up Design)
  ●ゲスト:川村恭子さん(かものはしすと)
  ●入場無料/要予約
      ※電話予約受付中!
      TEL:03-3213-8775 (ケンウッド スクエア・丸の内まで)
  ● 定員:50名
  川村恭子さんをゲストにお迎えして、
  「1970年代/80年代の邦楽」の大特集。
  ■ケンウッド スクエア・丸の内 HP
     http://www.kenwood.co.jp/j/square/
  ■「ようこそ夢街名曲堂へ!」の公式ブログも見てね。
     http://d.hatena.ne.jp/yumemachi/



【長門芳郎プロフィール】

70年代初期から後期にかけ、シュガー・ベイブ(山下達郎/大貫妙子ほか)、ティン・パン・アレー(細野晴臣/鈴木茂/林立夫)のマネージャーとして、コンサート/レコード制作に携わる。70年代末〜80年代末には、南青山の輸入レコード店パイド・パイパー・ハウスの店長/オーナーを続けながら、ピチカート・ファイヴのマネージメント、海外アーティストのコンサートをプロデュース。ヴァン・ダイク・パークス、ドクター・ジョン、リチャード・トンプソン、フィービ・スノウ、ダン・ヒックス、ジョン・サイモン、ローラ・ニーロ、ピーター・ゴールウェイ、NRBQほか多数の初来日ツアーを手がける。80年代末にヴィレッジ・グリーン・レーベル(ポニーキャニオン)をスタートさせ、海外アーティストのレコード制作に携わる。98年からは、ドリームズヴィル・レーベルのレーベル・プロデューサーとして、数多くのアルバム制作を行なっている。以上の仕事の傍ら、70年代から現在まで、数多くの洋楽アルバム/CDのリイシュー企画監修、アート・ディレクションを行い、その総数は700タイトル以上。現在音楽番組「ようこそ夢街名曲堂へ!」にレギュラー出演中。





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