mints magazeine 長門芳郎のマジカルコネクション  

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#031 2008_4月号
(1)イナラ・ジョージ
/オール・ライズ
ポニーキャニオン PCCY-01869
 ※日本盤には、ボーナス・トラック2曲が追加されている。
(2)JOE JACKSON
/LOOK SHARP!
A&M
<輸入盤>
 ※1979年にリリースされセンセーションを呼んだデビュー・アルバム。イナラ・ジョージがカヴァーした「Fools In Love」収録。
(3)MIKE ANDREWS
/HAND ON STRING
elgin park epr-01
<輸入盤>
(4)クロス・カントリー
/クロス・カントリー
VIVID SOUND RATCD-4259
紙ジャケット限定盤
 ※トーケンズのマーゴ兄弟による別名プロジェクト唯一のアルバム。1973年リリース。マイク・アンドリューズもカヴァーした「Just A Thought」のほか、ヒット曲「In The Midnight Hour」(ウィルソン・ピケットのカヴァー)など、ソフト・ロック佳曲が揃った名盤。
(5)CLARE & THE REASONS
/THE MOVIE
FROGSTAND
<輸入盤>
(6)須藤薫
/ウィンター・ムーン
ワーナーミュージック・ジャパンWPCL-10459
(7)DAVID NICHTERN
/FROM HERE TO NICHTERNITY
NUDGIE
<輸入盤廃盤>
(8)MARIA MULDAUR/MARIA MULDAUR
REPRISE<輸入盤>
※全米ヒットした「真夜中のオアシス」を収録した1973年のデビュー・アルバム。


 この10ヶ月の間に、4度もの来日を果たしたイナラ・ジョージ。前回までは、ザ・バード・アンド・ザ・ビー(トリハチ)の一員としてのものだったが、今回の来日(2月20日〜25日)は、先月、日本盤がリリースされた彼女のソロ・アルバム『ALL RISE』(1)のプロモーションが目的。同作品は、トリハチ以前の2005年にアメリカでリリースしたアルバムで、リリース順序が逆になったが、埋もれさせるにはいかない大傑作だ。トリハチを知らない音楽ファンにもぜひ聴いてもらいたい。アコースティック・ギターを基調にしたオーガニックなサウンドと瑞々しく透明感ある歌声。トリハチよりもパーソナルな世界観が伝わってくるシンガーソングライター的作品。デビューした頃のスザンヌ・ヴェガを想わせる雰囲気もある。父ローウェルの親友で、イナラの代父のような存在でもあるジャクソン・ブラウンがハーモニー・ヴォーカルで参加していることも注目される。オリジナル作品のほか、ジョー・ジャクソンの「Fools In Love」(2)のカバーも秀逸だ。昨年からレコーディングが進んでいたイナラの新作は現在、ミックス作業も終わり、初夏にはリリースされそうだ。アレンジを担当し、26人編成のオーケストラを指揮しているのは、ヴァン・ダイク・パークス。今回、滞在中の取材で、インタヴューした音楽ライターや編集者がヴァン・ダイクのことをよく知っていてビックリしたと言っていた。残念ながら、アメリカでは、未だ知る人ぞ知る存在なのだ。イナラに同行し、ショーケース・ライヴでもアコースティック・ギターとコーラスでサポートしていたマイク・アンドリューズは、『ALL RISE』のプロデューサーで、シンガーソングライター/レーベル・オーナー。彼は、『ドニー・ダルコ』や『君とボクの虹色の世界』などのサウンドトラックを担当、前者からの「マッド・ワールド」(ティアーズ・フォー・フィアーズのアコースティック・カヴァー)は全英で大ヒットした。そんな彼のアルバム『HAND ON STRING』(3)も素晴らしい内容。作・ギター・ヴォーカルにイナラ、ピアノにトリハチのグレッグ・カースティンも参加している以外は、全てマイクによる演奏と歌。その囁くような繊細な歌声は、ニック・ドレイクやデニス・ランバート、さらには、バタースコッチ・ラムのピーター・スミスのよう。サジタリアス・ミーツ・ガボール・ザボといった趣きも。一曲だけ、カヴァーを取り上げているのだが、なんと!クロス・カントリーの「Just A Thought」(4)。トーケンズの別名プロジェクトによるアコースティック・ソフト・ロック作品だ。これまで出会ったミュージシャンの中にもトム・アルドリーノ、マーシャル・クレンショウやジュールズ・シア、ビル・ディメインなど、マニアックな音楽ファンがいたが、彼もかなりのマニアとみた。尚、イナラ・ジョージの新作のプロデュースもマイクだ。

 さて、イナラ同様、セカンド・ジェネレーションの逸材、クレア・マルダーの新作(5)がこれまた素晴らしい!クレア&ザ・リーズンズなるバンド名義のアルバムは、若き日のマリア・マルダーのお株を奪うノスタルジック・レディぶり。血の繋がりがないのが不思議なほどで、その少し舌足らずでイノセントな歌声には心奪われてしまう。今回、父ジェフの姿はないが、ヴァン・ダイク・パークス、腹違いの姉ジェニ・マルダーやスフィアン・スティーヴンス、グレゴリー・マレット(パット・メセニー・グループ)らがゲスト参加している。そういえば、マリア・マルダーに続いて、ジェフ・マルダーも来日するようだ。

 先日まで日本各地で公演していたマリア・マルダーだが、残念ながら都合がつかず、観に行けなかった。あまり知られてないが、彼女の代表作「真夜中のオアシス」(デイヴィッド・ニクターン作)の意外なカヴァーがあるので紹介しよう。先月、紙ジャケット再発された須藤薫1991年のアルバム『ウィンター・ムーン』(6)の中で「夜のオアシス」というタイトルで歌われているのだ。しかも日本語。このアルバムのアレンジを担当したのは、元フィフス・アヴェニュー・バンドのマレイ・ウェインストック。そう言えば、随分以前、マレイから彼の友人でもあるデイヴィッド・ニクターンのソロ・アルバム『From Her To Nichternity』(7) (1998年)をもらったことがあって、そこにバジー・フェイトンのフルムーンみたいなアレンジの「真夜中のオアシス」の作者ヴァージョンが入っていた。デイヴィッドは、『MARIA MULDAUR』(8)(1973年)に「真夜中のオアシス」ともう1曲提供し、ギター、プロデュースでも参加している人物だ。

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    ★長門芳郎レギュラー出演中のFMプログラム
        『ようこそ夢街名曲堂へ!』
        (K-MIX=FM静岡/STARdigio/各地コミュニティFM)
      の公式ブログが開設されました。
      今後の放送予定(ゲスト/特集)、オンエア曲目リストが
      掲載されています。

        http://d.hatena.ne.jp/yumemachi/
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  ★「Pied Piper Days-ようこそ夢街カフェの指定席へ」第26回
       NOW & THEN/新作&リイシュー盤大特集!

  ●日時:2008年4月5日(土)17:00-19:00(開場16:30)
  ●場所:東京・ケンウッド スクエア・丸の内
  ●出演:長門芳郎(Believe In Magic)
       /土橋一夫(「Groovin'」編集長/Surf's Up Design)
  ●ゲスト:(未定)
  ●入場無料/要予約
    ※電話予約受付中。TEL:03-3213-8775
        (ケンウッド スクエア・丸の内まで)
  ●定員:50名(お申込みの順番で立ち見になることもございます)
      (座席数が30弱の為、当日16:30より予約順に御着席戴きます。
       その時間に来られない場合は後回しとなり、
       御着席いただけない場合もあります。
       なお、複数での申込みで、遅れて来られる方の席の確保は
       開始直前までとさせて戴きます。
       また事前にご予約のない方のご参加はできません。
       ご了承下さい。)
  ●内容:この「Pied Piper Days」は、FM番組「ようこそ夢街名曲堂へ!」
    でも共演する長門芳郎+土橋一夫が、洋楽・J-POPSを問わず
    その時々に合った気になる曲を、お喋りと共に選りすぐりで
    お届けする音楽イヴェント。この春も相変わらずリイシュー盤の
    リリース・ラッシュが続いておりますが、その中から最近特に
    気になったものを選りすぐりでご紹介します。
    また新入学シーズンに合わせてのフレッシュな新譜特集も。
    ここだけの濃い内容をご用意して、皆様のご来場を
    お待ちしております。
        ケンウッド スクエア・丸の内 HP
        http://www.kenwood.co.jp/j/square/index.html



【長門芳郎プロフィール】

70年代初期から後期にかけ、シュガー・ベイブ(山下達郎/大貫妙子ほか)、ティン・パン・アレー(細野晴臣/鈴木茂/林立夫)のマネージャーとして、コンサート/レコード制作に携わる。70年代末〜80年代末には、南青山の輸入レコード店パイド・パイパー・ハウスの店長/オーナーを続けながら、ピチカート・ファイヴのマネージメント、海外アーティストのコンサートをプロデュース。ヴァン・ダイク・パークス、ドクター・ジョン、リチャード・トンプソン、フィービ・スノウ、ダン・ヒックス、ジョン・サイモン、ローラ・ニーロ、ピーター・ゴールウェイ、NRBQほか多数の初来日ツアーを手がける。80年代末にヴィレッジ・グリーン・レーベル(ポニーキャニオン)をスタートさせ、海外アーティストのレコード制作に携わる。98年からは、ドリームズヴィル・レーベルのレーベル・プロデューサーとして、数多くのアルバム制作を行なっている。以上の仕事の傍ら、70年代から現在まで、数多くの洋楽アルバム/CDのリイシュー企画監修、アート・ディレクションを行い、その総数は700タイトル以上。現在音楽番組「ようこそ夢街名曲堂へ!」にレギュラー出演中。





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