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#027 2007_12月号
 ラリー・ジョン・マクナリーと出会ったのは、彼がピーター・ゴールウェイのサイド・ギタリストとして初来日した1978年秋のこと。ステージの中ほどで、1曲だけ、ラリー・ジョンが弾き語りで歌う場面があったのだが、ちょっとだけジェシ・コリン・ヤングを思い出させる口ごもるような独特な唱方が新鮮で、いつまでも心に残る歌声だった。その渋いバラード曲「REAL GOOD THING」は、1981年にリリースされた彼のファースト・アルバム『シガレット・アンド・スモーク(LARRY JOHN McNALLY)』に収録されることになる。ラリー・ジョンとは、音楽の趣味が似ていたところや偶然、誕生日が同じだったこともあって、意気投合、現在まで交流が続いている。1999年には、『ブリーカー・ストリートの青春(MUSIC FROM GREENWICH VILLAGE)』なるコンサートを企画、ピーター・ゴールウェイ、ジェイク・ジェイコブスと共に2度目の来日を果たしている。
 彼の作品は、これまでに多くのアーティストたちに取り上げられてきた。主なものを挙げると、ボニー・レイット、チャカ・カーン、ジョー・コッカー、ロッド・スチュワート、ブルース・ウィリス、ステイプル・シンガース、ベティ・ライト、アーロン・ネヴィル、アヴェレイジ・ホワイト・バンド、ジェニファー・ウォーンズ、ドン・ヘンリー、ニコレット・ラーソンetc。ボニー・レイットを筆頭に彼の曲を取り上げてきた顔ぶれをみると、通好みというか、玄人受けするソングライターだと言えるだろう。彼のソングライターとしての評価を確固たるものにしたのは、1981年にリリースされたファースト・アルバム『シガレット&スモーク(LARRY JOHN McNALLY)』。ここからは、彼自身の歌「JUST LIKE A PARADISE」が全米ヒットしただけでなく、8曲中5曲が上記のアーティストたちによってこぞってレコーディングされた。現在、入手困難なのが残念。
 現在、ヒット中のイーグルス久々のアルバム『LONG ROAD OUT OF EDEN』。完全なスタジオ・フル・アルバムとしては、『LONG RUN』以来ということで話題沸騰だが、この中の「I LOVE TO WATCH A WOMAN DANCE」は、ラリー・ジョン・マクナリーの作品。これは、ラリー・ジョンが1999年にドリームズヴィルからリリースした『DANDELION SOUL』に収録されていた曲。同アルバムの「FOR MY WEDDING」をドン・ヘンリーが『INSIDE JOB』(2000年)の中でカヴァーしていたこともあり、以前から、ラリー・ジョンの作品がイーグルス周辺で評価されていたことがわかる。『DANDELION SOUL』には、カヴァーされた2曲のほか、伝説的黒人ゴスペル・グループ、ブラインド・ボーイズ・オブ・アラバマやアップタウン・ホーンズが参加した「LOVE IS EVERYTHING」など、味わい深い楽曲が揃っており、彼の最高傑作と言ってもいい。ノーザン・ソウル、ゴスペル、ブルース、ジャズ、ニューオーリンズR&B、スワンプ・ロックなどをルーツに、呟くようなヴォーカル、卓越したギター・プレイで展開されるクールな世界は、独特のものだ。
 近々、ニュー・アルバムがリリースされる予定。しかも2枚!1枚は、歌もの。もう1枚は、インストルメンタル・アルバム。
■イーグルス/ロング・ロード・アウト・オブ・エデン
  ユニバーサル UICO-9024
2007年リリース。ラリー・ジョン作「I LOVE TO WATCH A WOMAN DANCE」収録。


■DON HENLEY/INSIDE JOB
  <輸入盤>WARNER
2000年リリース。ラリー・ジョン作「FOR MY WEDDING」収録。


■ラリー・ジョン・マクナリー/シガレット&スモーク(LARRY JOHN McNALLY)
  <国内盤廃盤>SONY
1981年のデビュー・アルバム。バジー・フェイトン、ヴァレリー・カーター、ビル・ペイン、トム・スコットほか参加。プロデュースは、元フィフス・アヴェニュー・バンドのジョン・リンド。
■ラリー・ジョン・マクナリー/フェイド・トゥ・ブラック
  <国内盤廃盤>EAST WEST
1986年のセカンド・アルバム。プロデュースは、ゲイリー・カッツと本人。収録曲
「モータウン・ソング」、「ロング・ドラッグ・アウト・オブ・シガレット」が各
々、ロッド・スチュワート、ジョー・コッカーに取り上げられた。
■ラリー・ジョン・マクナリー/夏の鋪道(VIBROLUX)
  <国内盤廃盤>パイオニアLDC
1995年リリース。プロデュースは、元ローン・ジャスティスのマーヴィン・エツィオー


■ラリー・ジョン・マクナリー/ダンデライオン・ソウル
  ドリームズヴィル YDCD-0008
1999年リリース。プロデュースは、リンカーン・シュレイファー。イーグルス、ドン・ヘンリーにカヴァーされたオリジナルが聴ける。

■BONNIE RAITT/NICK OF TIME
  <輸入盤>CAPITOL/EMI
1989年リリース。グラミー受賞作。ラリー・ジョン作「NOBODY'S GIRL」収録。


■JOE COCKER/CIVILIZED MAN
  <国内盤廃盤>
1984年リリース。ラリー・ジョン作 「ロング・ドラッグ・アウト・オブ・シガレ
ット」収録。

■CHAKA KHAN/CHAKA
  <輸入盤>OL'SKOOL
ラリー・ジョン作の2曲「スリープ・オン・イット」、「ア・ウーマン・イン・ア
・マンズ・ワールド」収録。1978年リリース。

■ROD STEWERT/VAGABOND HEART
  <国内盤廃盤>WARNER WPCP-4199
トップ10ヒットとなったラリー・ジョン作「モータウン・ソング」収録。


■BRUCE WILLIS/RETURN OF BRUNO
  <輸入盤廃盤>MOTOWN
ラリー・ジョンとジョン・リンド共作「LOSING MYSELF」収録。


     イベント・インフォメーション
  ★「Pied Piper Days-ようこそ夢街カフェの指定席へ」第24回★
     今年の収穫2007/長門芳郎と土橋一夫の音楽四方山話

  ●日時:2007年12月1日(土)17:00-19:00(開場16:30)
  ●場所:東京・ケンウッド スクエア丸の内
  ●出演:長門芳郎(Believe In Magic)
       土橋一夫(「Groovin'」編集長/Surf's Up Design)
  ●ゲスト:(未定)※マル秘ゲストがあるかも?
  ●入場無料/要予約(tel:03-3213-8775 ケンウッドスクエア丸の内まで)
    ※予約受け付け開始:11月5日(月)10:00より
  ●定員:50名
  ●内容:この「Pied Piper Days」は、FM番組「ようこそ夢街名曲堂へ!」でも共演する長門芳郎+土橋一夫が、
   洋楽・J-POPSを問わずその時々に合った気になる曲を、お喋りと共に選りすぐりでお届けする音楽イヴェント。
   今回は久しぶりに出演者2人でゆったりと今年の音楽シーンを振り返りながら、今年リリースされた作品や
   遂に手に入れたレコード、映像などの中から印象深いものをご紹介していきます。
   しかもこれから来年にかけてリリースされる作品などをいち早くご紹介する最新のリリース/リイシュー盤
   情報コーナーも充実。もしかしたらマル秘ゲストが駆けつけてくれるかも知れません(NGだったらゴメンナサイ)。
   昨年もそうでしたが、12月のこのイヴェントは何かが起こります!今年最後の「Pied Piper Days」、
   ここだけの濃い内容をご用意して、皆様のご来場をお待ちしております。

   ケンウッド スクエア丸の内
   〒100-0005 東京都千代田区丸の内3-4-1 新国際ビル1階
   電話 03-3213-8775  FAX:03-3213-7400
   http://www.kenwood.co.jp/j/square/index.html
   交通 JR「有楽町」駅、有楽町線「有楽町」駅、都営三田線「日比谷」駅、
       千代田線「二重橋前」駅、下車徒歩3分 日比谷線「日比谷」駅下車徒歩5分



【長門芳郎プロフィール】

70年代初期から後期にかけ、シュガー・ベイブ(山下達郎/大貫妙子ほか)、ティン・パン・アレー(細野晴臣/鈴木茂/林立夫)のマネージャーとして、コンサート/レコード制作に携わる。70年代末〜80年代末には、南青山の輸入レコード店パイド・パイパー・ハウスの店長/オーナーを続けながら、ピチカート・ファイヴのマネージメント、海外アーティストのコンサートをプロデュース。ヴァン・ダイク・パークス、ドクター・ジョン、リチャード・トンプソン、フィービ・スノウ、ダン・ヒックス、ジョン・サイモン、ローラ・ニーロ、ピーター・ゴールウェイ、NRBQほか多数の初来日ツアーを手がける。80年代末にヴィレッジ・グリーン・レーベル(ポニーキャニオン)をスタートさせ、海外アーティストのレコード制作に携わる。98年からは、ドリームズヴィル・レーベルのレーベル・プロデューサーとして、数多くのアルバム制作を行なっている。以上の仕事の傍ら、70年代から現在まで、数多くの洋楽アルバム/CDのリイシュー企画監修、アート・ディレクションを行い、その総数は700タイトル以上。現在音楽番組「ようこそ夢街名曲堂へ!」にレギュラー出演中。




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