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#016 2007_1月号
ハース・マルティネス
/ミスター・ドリームズヴィル〜夢の旅人 (I'm Not Like I Was Before)
Dreamsville YDCD-0001
ハース・マルティネス
/アイ・ラヴ・トゥ・プレイ・フォー・ユー〜ライヴ・イン・ジャパン
Dreamsville YDCD-0030
ハース・マルティネス
/FEELING SO FINE
Dreamsville YDCD-0029
ハース・マルティネス
/ハース・フロム・アース
Warner Music Japan
ハース・マルティネス
/ビッグ・ブライト・ストリート
Warner Music Japan
テレサ・ブライト
/クロッシング・ザ・ブルー
PIONEER LDC PICP-1156
VARIOUS ARTISTS
/HOAGYLAND
Dreamsville YDCD-0035)2000 8/25
*ハースが歌う「ボルティモア・オリオール」など収録。ジョン・サイモン・プロデュースによるホーギー・カーマイケル・トリビュート。


 受話器の向こう側から聴こえてきたその声は、紛れもなく、あの「Altogether Alone」で聴き馴染みのある特徴ある声だった。まあ、レコードほどのダミ声ではなかったが、声を聴いた瞬間、ファーストの「海藻男」やセカンド裏ジャケの「アッと驚く為五郎」のイメージが頭に浮かんだ。今から10年ほど前、私が初めて、ハース・マルティネスと会話を交わした時のことだ。ハースの電話番号を教えてくれたのは、かつてハースのプロデューサーでもあったジョン・サイモン。この電話をかけるずっと以前から、ハースの新作を作りたいという夢はあったのだが、先ずは彼が今、どんな活動をしているのか、新曲を書いているのかということを知りたかったのだ。彼によれば、ロスのジャズ・クラブなどでギターを弾いていると、たまに日本人の観光客が近づいてきて、歌を聴かせてほしいとリクエストされることもあったという。その電話以降、やりとりを続け、新曲のデモ・テープを送ってもらったりしているうちに、ハースの新しいアルバムを聴きたい、作りたい、作らねばという気持ちが日に日に強くなっていった。そんな気持ちにさせるほど、新曲のデモは、素晴らしかった。1997年のハロウィーンの頃、私はL.A.のファーマーズ・マーケットで、ハースと会い、私の夢を打ち明けた。ハースも目を輝かせ、時間の経つのも忘れて、互いのアイデアを語り合ったのだった。翌年、テレサ・ブライトの『クワイエット・ガール』に続くアルバム『クロッシング・ザ・ブルー』を制作する際、ハースの新曲「スロウリー」をテレサが歌うことになり、ハースには、ギターとデュエット・ヴォーカルで参加してもらうことにした。そういえば、ハースがプロモーションのために初来日した際、J-WAVEの細野晴臣さんの番組に出演し、細野さんのベース、ハースのギター/ヴォーカルで、「スロウリー」を演奏したこともあった。
 ハース自身のニュー・アルバムは、ジョン・サイモンにプロデュースを依頼、98年の夏にスタート。私もハースやガース・ハドソンと一緒にジョン・サイモン宅で合宿しながら、ニューヨークのスタジオに通ったもの。ジョンの自宅菜園のトマトや豆の収穫を手伝い、キッチンでハースたちと流れ作業で、豆を瓶詰めしたり、ジョンのピアノを囲んで、リハーサルしたり....そんな親密な雰囲気は、レコーディングにも反映され、ハース・マルティネスの21年振りのニュー・アルバム『ミスター・ドリームズヴィル〜夢の旅人 (I'm Not Like I Was Before)』は、ハートウォーミングで、アーティスティックな香り溢れた作品になった。レコーディングには、ガース・ハドソン、ジョン・サイモン、ロン・カーター、デイヴィッド・サンボーン、ランディ・ブレッカー、ウィル・リー、ジェニ・マルダーほかが参加。ジャケットのイラストは、矢吹申彦さん。
 『アイ・ラヴ・トゥ・プレイ・フォー・ユー〜ライヴ・イン・ジャパン』は、1999年4月の日本公演の模様を収めた初のライヴ・アルバム。「Altogether Alone」など、初期の代表曲から新曲、ラヴィン・スプーンフル「デイドリーム」のカヴァーが聴けるほか、ジョン・サイモンやジョン・ホールとの共演、さらにボーナス・トラックとして、ヴァン・ダイク・パークス、ヴァレリー・カーターとのスタジオ新録曲も収録されている。『Feeling So Fine』は、ヴァレリー・カーターとのデュエット曲で、TVCMに使われた作品をフィーチャーした4曲入り。ジャケットのイラストは、本秀康さん。


【長門芳郎プロフィール】

70年代初期から後期にかけ、シュガー・ベイブ(山下達郎/大貫妙子ほか)、ティン・パン・アレー(細野晴臣/鈴木茂/林立夫)のマネージャーとして、コンサート/レコード制作に携わる。70年代末〜80年代末には、南青山の輸入レコード店パイド・パイパー・ハウスの店長/オーナーを続けながら、ピチカート・ファイヴのマネージメント、海外アーティストのコンサートをプロデュース。ヴァン・ダイク・パークス、ドクター・ジョン、リチャード・トンプソン、フィービ・スノウ、ダン・ヒックス、ジョン・サイモン、ローラ・ニーロ、ピーター・ゴールウェイ、NRBQほか多数の初来日ツアーを手がける。80年代末にヴィレッジ・グリーン・レーベル(ポニーキャニオン)をスタートさせ、海外アーティストのレコード制作に携わる。98年からは、ドリームズヴィル・レーベルのレーベル・プロデューサーとして、数多くのアルバム制作を行なっている。以上の仕事の傍ら、70年代から現在まで、数多くの洋楽アルバム/CDのリイシュー企画監修、アート・ディレクションを行い、その総数は700タイトル以上。現在音楽番組「ようこそ夢街名曲堂へ!」にレギュラー出演中。





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