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#015 2006_12月号
(1)リヴィングストン・テイラー
/LIV
ユニバーサル・ミュージック UICY-93177
(2)リヴィングストン・テイラー
/ライフ・イズ・グッド
ソニー・ミュージック・ダイレクト MHCP-1207
(3)リヴィングストン・テイラー
/持込音源 UNSOLICITED MATERIAL
ソニー・ミュージック・ダイレクト MHCP-1208
(4)ヒュー・テイラー
/IT'S UP TO YOU
ヴィレッジ・グリーン
<廃盤>
(5)アレックス・テイラー
/VOODOO IN ME
ヴィレッジ・グリーン
<廃盤>
(6)ジェイムズ・テイラー
/JT
ソニー・ミュージック・ダイレクト MHCP-1189
(7)ジェイムズ・テイラー
/SWEET BABY JAMES
ワーナー・ミュージック・ジャパン


 12月11日、12日の東京公演が目前に迫ったリヴィングストン・テイラー。前回から6年ぶりの来日となる今回、それを記念して、過去のアルバムが一挙、紙ジャケ再発されることになった。これがリヴだけに留まらず、ジェイムズ・テイラー、ケイト・テイラーら兄姉の作品など、テイラー・ファミリーのアルバムも紙ジャケ化されるという、シンガー・ソングライター・ファンにとっては、またとないうれしいプレゼント。

 これまでに何度か彼のライヴを観る機会に恵まれてきたが、最も印象に残っているのは、1989年、8年ぶりのニュー・アルバム『ライフ・イズ・グッド』の日本でのリリースに合わせて、企画した『LIFE IS GOOD』ジャパン・ツアー。もう17年も前のことになる。この時は、同アルバムのプロデュースを担当したウッドストックのギタリスト、アーティ・トラウムもオープニング・アクトとして同行、ステージでも数曲だけだが、ふたりの共演も観られた。関西を含む全公演に立ち会ったのだが、歌と演奏の素晴らしさに感動したのはもちろん、その音楽から想像していた通りの温かく誠実な人柄に触れ、増々、彼が好きになった。

 その翌年の春、テイラー兄弟の長兄アレックス・テイラーが大阪「花博」出演のため、来日した際、一回だけ、渋谷クアトロでライヴを行なったことがある。あまり客の入りがよくなかった会場の後ろの方、私の隣でステージを見守るノッポの男が…。なんと!それはアレックスの弟ジェイムズだった。自らの公演のために来日した彼は、兄のライヴを観るためにこっそりひとりでやってきたのだ。ひょっとしたら、当時、リリースされたばかりのアレックスの新作『VOODOO IN ME』(5)でデュエットしていた「He Will Break Your Heart」の時に飛び入りしないかなと秘かに期待したのだが、それはなかった。もしもジェイムズがステージに上がっていたら、会場は騒然となり、アレックスの影がさらに薄くなってしまったかもしれない。その時だったか、別の来日の時だったか記憶が曖昧なのだが、ジェイムズが私に「リヴやヒューが世話になってるね。どうもありがとう!」と思いがけない言葉をかけてくれた時は、うれしかった。本当にこの兄弟たちは仲がいいんだなと思ったもの。アレックスとは、大阪のFM802にMFQを引率して行った時、偶然、再会したが、それが彼と話した最後になった。日本公演の3年後の1993年、この世を去ってしまったのだ。

 テイラー兄弟の末弟ヒュー・テイラーも一度だけ、来日したことがある。1990年の暮れ、ヴィレッジ・グリーン・レーベルのコンヴェンションを東京/大阪で行なった際、当時、初のアルバム『IT'S UP TO YOU』(4)を日本だけでリリースしたばかりのヒュー・テイラーとリユニオン・アルバム『REALLY』をリリースしたフィフス・アヴェニュー・バンドのジョン・リンド、ピーター・ゴールウェイの3人が来日し、ゲスト出演したのだ。一般公演はなく、ヒューの生歌は数曲しか聴けなかったが、ヒュー、ジョン、ピーターの3人の共演を観ることができたのは、貴重な体験だった。テイラー兄弟が各々のアルバムにコーラスなどで参加することは珍しいことではないが、アレックス、ジェイムズ、ケイト、リヴィングストン、ヒューの5人全員が一同に会したレコーディングが聴けるのは、ヒューのアルバムに収録されているトム・ウェイツのカヴァー「OL'55」など、3曲だけ。残念ながら、ヒューのこのアルバム、今回の紙ジャケ再発のラインアップには入っていない。

 今回のテイラー・ファミリーのリリース情報をまとめておこう。まず、11月22日に出るのが、リヴィングストン・テイラーの『LIVINGSTON TAYLOR』、『LIV』(1)、『OVER THE RAINBOW』、『THREE WAY MIRROR(三面鏡)』、『MAN'S BEST FRIEND』、『LIFE IS GOOD』(2)、『BICYCLE(自転車と僕)』、『UNSOLICITED MATERIAL(持込音源)』(3)、ジェイムズ・テイラーの『JT』(6)、『FLAG』、『DAD LOVES HIS WORK(ダディーズ・スマイル)』、『THAT'S WHY I'M HERE』、『NEVER DIE YOUNG』、ケイト・テイラーの『KATE TAYLOR』、『IT'S IN THERE....AND IT'S GOT TO COME OUT(ケイト・テイラーズ・クック・ブック)』、セクションのキーボード奏者クレイグ・ダーギの『CRAIG DOERGE』。12月27日には、ジェイムズ・テイラーのワーナー時代の『SWEET BABY JAMES』(7)から『GREATEST HITS』までの7作品。この内『UNSOLICITED MATERIAL(持込音源)』は、日本初登場となるリヴにとって、初のライヴ・アルバムで、リヴ本人のレーベルから1994年にリリースされ、彼のウェブサイトを通して、販売されていたもの。既に廃盤となり、入手不可能だったものだ。


尚、リヴィングストン・テイラーの公演日程は下記の通り。

2006.12.11 (月) 草月ホール
OPEN : 18:30 / START : 19:00

2006.12.12 (火)渋谷JZ Brat
■1st.stage OPEN : 18:30 / START : 19:00
■2nd.stage OPEN : 21:00 / START : 21:30

追加公演
2006.12.08 (金)横浜サムズ・アップ
OPEN : 18:30 / START : 19:30

*詳細は、カンバセーションHP
http://www.conversation.co.jp/schedule/livingston/index.html


【長門芳郎プロフィール】

70年代初期から後期にかけ、シュガー・ベイブ(山下達郎/大貫妙子ほか)、ティン・パン・アレー(細野晴臣/鈴木茂/林立夫)のマネージャーとして、コンサート/レコード制作に携わる。70年代末〜80年代末には、南青山の輸入レコード店パイド・パイパー・ハウスの店長/オーナーを続けながら、ピチカート・ファイヴのマネージメント、海外アーティストのコンサートをプロデュース。ヴァン・ダイク・パークス、ドクター・ジョン、リチャード・トンプソン、フィービ・スノウ、ダン・ヒックス、ジョン・サイモン、ローラ・ニーロ、ピーター・ゴールウェイ、NRBQほか多数の初来日ツアーを手がける。80年代末にヴィレッジ・グリーン・レーベル(ポニーキャニオン)をスタートさせ、海外アーティストのレコード制作に携わる。98年からは、ドリームズヴィル・レーベルのレーベル・プロデューサーとして、数多くのアルバム制作を行なっている。以上の仕事の傍ら、70年代から現在まで、数多くの洋楽アルバム/CDのリイシュー企画監修、アート・ディレクションを行い、その総数は700タイトル以上。現在音楽番組「ようこそ夢街名曲堂へ!」にレギュラー出演中。





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