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#010 2006_7月号













(1) ROBBIE DUPREE
/CARRIED AWAY
GOLD CASTLE
<廃盤> <輸入盤>
(2)ロビー・デュプリー
/ストリート・コーナー・ヒーローズ
WARNER
<廃盤>
(3)BILL LaBOUNTY
/BILL LaBOUNTY
WARNER CURB
<輸入盤>
(4)ビル・ラバウンティ
/恋のゆくえ〜ザ・ライト・ディレクション
DREAMSVILLE YDCD-0013
(5)ラリー・ホッペン
/ハンドメイド
DREAMSVILLE YDCD-0107
(6)ロビー・デュプリー・ウィズ・デヴィッド・サンキシヤス
/S.T.
DREAMSVILLE YDCD-0104
ロビー・デュプリー
/オールナイト・ロング〜ライヴ・ウィズ・クラッキン
DREAMSVILLE YDCD-0002


 今月27日から7月2日までの5日間、丸の内コットン・クラブに於いて、ロビー・デュプリー+ビル・ラバウンティのライヴが行なわれる。80年代のAORブームの中、特に人気の高かったふたりのジョイント・ライヴ。ありそうでなかった組み合わせということで、期待に胸を膨らませているファンも多いことだろう。かく言う私もそのひとりだ。
 私がロビー・デュプリーと知り合ったのは、1987年頃だっただろうか。私の友人で、シアトルでレコードショップを経営、アーティストのマネージメントも手がけていたボブ・ジェニカーから、ロビー・デュプリーのニュー・アルバムのレコーディングをするので、原盤制作のアシスト、日本でのリリース先との交渉など、手伝ってほしいと要請してきたことに始まる。この時のアルバムは、当時、私がポニーキャニオン傘下でレーベル・プロデュースをしていたヴィレッジ・グリーン・レーベルから1989年に日本先行リリースされている。『キャリード・アウェイ(Carried Away)』(1)がそれで、1981年のセカンド『ストリート・コーナー・ヒーローズ』(2)以来、8年ぶりのサード・アルバムだった。デイヴィッド・サンキシャス、トニー・レヴィン、ジェリー・マロッタほか、ロビーの住むウッドストックのミュージシャンたちを中心に制作され、過去2作のキャッチーなブルーアイド・ソウル路線とは趣きを変え、重厚なサウンドと翳りのあるスモーキーな歌声がじわりと心にしみ込む作品。「This Is Life」、「Real Life」などのキー・トラックの作者クレジットに名を列ねていたのは、ロビーのヒット曲「ホット・ロッド・ハート」の作者であり、ロビーのファースト/セカンド・アルバムにも参加していたビル・ラバウンティ。ビルは、4枚目のアルバム『Bill LaBounty(邦題はなぜか「サンシャイン・メモリー」)』(3)以降、ソングライターとしての活動を目にすることはあっても彼自身のアルバムのリリースはなく、ファンとしては、ぜひとも新作を聴きたいと長年、思い続けていた。ロビーのアルバム制作後、ビルの新作を作ることができないだろうかと、ボブとロビーに相談、本人の意向を確かめてもらうことにした。ビルは、ナッシュヴィルに住み、カントリー・ヒットをコンスタントに送りだす、売れっ子ソングライターとして活躍していたが、私たちの新作録音のオファーを快く承諾してくれた。この頃、私(東京)、ボブ(シアトル)、ロビー(ウッドストック)の3人で、ゴールデン・トライアングル・プロダクションを設立、本格的に原盤制作を始めることになる。ちなみにGTP制作のアルバムには、オーリアンズのリユニオン・ライヴ2枚組、ロビー・デュプリーの『Walking On Water』、『Smoke and Mirrors』、デビー・ラン、オムニバス『ウッドストック・ホリデイズ』ほかがある。そんなGTP制作の第1弾となったのが、1991年にリリースされたビル・ラバウンティの『恋のゆくえ〜ザ・ライト・ディレクション(The Right Direction)』(4)だった。同アルバムは、一部新曲をビルとロビーが共作することになり、先ずは、ウッドストックで合宿しながらの曲作りをすることになった。完成したばかりの新曲をふたりのあのスモーキーな歌声でハモッて聴かせてくれた時は、鳥肌が立つほどの感動を憶えたものだ。レコーディングは、ウッドストック、ナッシュヴィル、LAのスタジオで、ラリー・カールトン、ジョン・ロビンソン、ニール・ステューベンハウス、ビル・エリオット、ラリー・ホッペン(5)らが参加して行なわれた。プロデュースは、ロビーとビルのふたり。82年の『Bill LaBounty』以来、9年ぶり、通算5作目のアルバムとなったわけだが、タイトル曲や「Mr.O」などは、90年代に誕生した新たなAOR名曲として好評を博し、好セールスを記録した。91年、初来日を果たし、東京、川崎、名古屋、大阪のクラブ・ツアーも盛況だった。このアルバム、フランス、アメリカでもリリースされたが、現在は廃盤。ドリームズヴィルの再発盤には、ボーナス・トラックとして、初来日時の公演から「涙は今夜だけ(This Night Won't Last Forever)」、「トレイル・トゥ・ユア・ハート」、「ドリーム・オン」ほかのライヴ音源が追加収録されている。
 今回の来日メンバー、デイヴィッド・サンキシャス(6)(キーボード)、ラリー・ホッペン(ギター/ヴォーカル)、ピーター・バネッタ(ドラム)、リック・チュダコフ(ベース)、レズリー・スミス(ヴォーカル)という豪華な顔ぶれだ。サンキシャスは、スプリングスティーンのE・ストリート・バンドを経て、スティング、エリック・クラプトンほか大物アーティストとのツアーに参加してきた黒人キーボード奏者。ホッペンは、お馴染みオーリアンズのギタリスト/リード・シンガー。バネッタ&チュダコフは、ロビー・デュプリーの「ふたりだけの夜(スティール・アウェイ)」、「ホット・ロッド・ハート」ほか、ローレン・ウッド、ジョニー・マティス、テンプテーションズなどを手がけたヒット・プロデューサー・コンビ。レズリー・スミスは、『Heartache』(82年)の傑作アルバムで根強い人気の黒人シンガー。この内、バネッタ&チュダコフ、スミスの3人は、元クラッキンのメンバーでもある。強力なリズム・セクションとバックグラウンド・ヴォーカルを率いてのロビーとビルのジョイント・ライヴ、これを見逃せない。


【長門芳郎プロフィール】

70年代初期から後期にかけ、シュガー・ベイブ(山下達郎/大貫妙子ほか)、ティン・パン・アレー(細野晴臣/鈴木茂/林立夫)のマネージャーとして、コンサート/レコード制作に携わる。70年代末〜80年代末には、南青山の輸入レコード店パイド・パイパー・ハウスの店長/オーナーを続けながら、ピチカート・ファイヴのマネージメント、海外アーティストのコンサートをプロデュース。ヴァン・ダイク・パークス、ドクター・ジョン、リチャード・トンプソン、フィービ・スノウ、ダン・ヒックス、ジョン・サイモン、ローラ・ニーロ、ピーター・ゴールウェイ、NRBQほか多数の初来日ツアーを手がける。80年代末にヴィレッジ・グリーン・レーベル(ポニーキャニオン)をスタートさせ、海外アーティストのレコード制作に携わる。98年からは、ドリームズヴィル・レーベルのレーベル・プロデューサーとして、数多くのアルバム制作を行なっている。以上の仕事の傍ら、70年代から現在まで、数多くの洋楽アルバム/CDのリイシュー企画監修、アート・ディレクションを行い、その総数は700タイトル以上。現在音楽番組「ようこそ夢街名曲堂へ!」にレギュラー出演中。





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