mintsBar 今夜のお客様は 「佐藤 博さん」です!  

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”今夜のお客様は、佐藤 博さんです。“
【佐藤 博(さとう ひろし) プロフィール】
幻のグループ「ハックルバック」そして、ティン・パン・アレー・ファミリーのキーボーディストにしてシンガー・ソング・ライター。1976年に『SUPER MARKET』でアルバム・デビュー。 『TIME』、『オリエント』と次々とソロ作品を発表する他、細野晴臣『泰安洋行』、吉田美奈子『FLAPPER』、大瀧詠一『Niagara Moon』、山下達郎『SPACY』など、名盤と語り継がれる作品にキーボード、作曲、アレンジ等で参加し、セッション・ワークを重ねた。'79年に渡米。LAを拠点にエイモス・ギャレット、スペンサー・デイヴィス、ランディ・クロフォードらと活動し、高い評価を得た。 '82年に帰国、当時の最新機材を駆使した画期的な作品『awakening』を発表。 以来、精力的にオリジナル・アルバムを発表し続けている。

佐藤 博オフィシャルホームページ
http://www.hiroshi-sato.com/
除川: いらっしゃいませ。mints Barへようこそ。
長門: 佐藤さん、久しぶりですね。いらっしゃい。遠路はるばる(笑)。
佐藤: ホント長門くん、久しぶり。なかなか落ち着いた店だね。噂によると、ミュージシャンには居心地の良い店だって聞いたものだから、顔を見についでに来ちゃったよ(笑)。
除川: 早速ですが、お飲み物はいかがいたしますか?
佐藤: うん、じゃゴッド・ファーザーにしてもらおうかな?

SoulJa/DOGG POUND

長門: 今日は聞きたいことがあるんですよ。かなり強力な新人をプロデュースしているって聞いたから。佐藤さんのプロデュース・ワークの最新ってことですよね。
佐藤: ええ、「SoulJa(ソルジャ)」って言うラッパーで、名プロデューサーの川添象郎さんがプロデューサーで、僕はサウンドプロデュースを担当しているんですよ。去年の夏頃から進んでいたんだけど、ようやく2月28日にUMJからシングル第一弾「DOGG POUND」が発売される。SoulJaは、とにかくスピード感と力強いラップがすごい!僕が受けた印象は、メッセージの男っぽさは尾崎豊で、野球に例えると超剛速球ピッチャーかな。今回のシングルは全3曲で細野君がその中の1曲を書いて、アルバムも8割方出来ていて、細野君の曲と、僕と(高橋)幸宏も1曲づつ入っていて、それ以外は全部彼の曲。一曲、およそラップとは縁遠い「リベル・タンゴ」のカヴァーもしているの。いかに「脱HIP-HOPするラップか」、という所からスタートして、もっと広い意味でのポップミュージックになるように進めているんですよ。僕自身、すごく面白いプロジェクトだって感じていますよ。
長門: 佐藤さんは、いつも新しい世界を開拓しているよね。『AmazingU』でも、世代やジャンルもちがう人をフィーチュアしたり、新人の女性ヴォーカリストを発掘したりしているものね。
佐藤: 僕は、ほとんどの作業を一人でやるじゃないですか。だから新しい人との接触が欲しいんですよ。馴染みのミュージシャンとは安心感もあるし必要だけど、新鮮味も欲しいし、やったことの無い人とでは結果が予測できない。だから楽しいんですよね。

長門: 佐藤さんとは長いつき合いさせてもらっているけど、最初に合ったのは多分75年?
佐藤: 細野君の『トロピカル・ダンディ』のレコーディングや、ティン・パン・アレーのツアーの時だよね。関西から、ハックルバックの田中章弘と林敏明の3人で、東京に出てきて最初のレコーディング。大瀧ちゃんのレコーディングも同時進行だったっけ。
長門: (鈴木)茂からはどうやって、くどかれたの?(笑)
佐藤: 関西で、加川良くんのライヴレコーディングしたアルバムを一緒に作った時が初対面かな。その時、お互いに気にいって、茂はアメリカにレコード作りにいっちゃったけど、向こうから手紙をくれたんだよね。帰ったらすぐバンドやろうって。それがきっかけで、3人で東京にきちゃった(笑)。
除川: 茂さんが加川さんのバンドから引っこ抜いたんですか?
佐藤: 引っこ抜いたっていうか、それまでは関西のフォーク系のバックをTHISっていうバンド名で、田中と林でやっていたのが多かったの。その前はキー坊(上田正樹)や、ウェスト・ロード(ブルース・バンド)とかもやっていたんだよね。だから東京に来て、細野君とかとやった時には、まず関西と関東の、リズムの質感の違いに戸惑ったよ。

長門: せっかくだから、今日はあらためて聞いちゃおうかな?佐藤さんのハジ(初めて買った)レコって何?
佐藤: 初めて買ったレコードは、京都の十字屋で買った、マントヴァーニがスペイン系の曲(マラゲーニャ)を中心にオーケストレーションを聴かせるアルバムかな。親父が買ったステレオだから、いきなりエルヴィスとかじゃまずいって思って、一緒に聴けるよう親の顔色を伺いながらだったけどね。
長門: そうなんだ。当時の若者は聞かないよね。
佐藤: あの頃はまだ、大人向けのラジオ番組も多くて、パーシー・フェイスとかが流れていたのを聴いていた。他は、ビートルズが出て来るまではエルヴィスとかナット・キング・コールとかの唄が好きで、「9500万人のポピュラー・リクエスト」を夢中で聴いていたよね。ヘレン・シャピロの「悲しき片思い」が最初に覚えた英語の唄だったかな。今思えば、アレンジに興味を持ったのも、ポップスの日本語ヴァージョンをテレビでやるじゃない、そのバンドサウンドとかバランス、その違いに子供心にどうしようもないなってガッカリしたのがきっかけだったんじゃないかな。東京に出て来る前は、お金がなくてレコード買えないから、ほとんどジャズ喫茶で聴きまくって、何回も聴いてこれはと思った物を自分で買っていたね。基本的に聞くよりも作る方が好きなんだよね。東京に出てきてからは、長門君が青山でやっていたお店“パイド・パイパー・ハウス”にちょくちょく行っては、新しい情報やら、おすすめを聞かせてもらったな。

「 エルヴィス・プレスリー / さまよう青春 」
 - ロックの意味を意識させてくれたアーティスト -

 エルヴィスってキング・オブ・ロックとか言われて、もっと破天荒な感じだと思っていたんだけど、曲によってはバラードもあったりして、正攻法だなって思ったんだよ。逆に言えば取っつきやすかった。一曲一曲の歌い方が好きだったし微妙なフェイクや、なんと言っても歌唱力が圧倒的。バンドサウンドでもロックやブルースというカテゴリーの意識が全く無くて、それまで聴いてきたポップス系の人とは全然違う雰囲気があったというのが、引きつけられた理由。このアルバムの中の曲は大体歌える。一番歌っていたのは「Blueberry Hill」「Loving You」とか「Don’t Leave Me Now」あたりかな?家が寺で、はじめは本堂の中にポータブル・レコーダーを持ち込んで唄って、そのうち蔵をスタジオにして多重録音していた。生涯、歌い方で一番影響を受けたかな。

「 ハリー・ベラフォンテ / カーネギー・ホール・コンサート 」
 - カリプソを体に染みこませてくれた大歌手 -

 「陽のあたる坂道」とか、あの頃覚えた曲はいまだに歌詞覚えているね。「ダニー・ボーイ」とかはガットギター一本で、ほとんどアカペラ。このライヴアルバムにも、カリプソっぽい曲がいっぱい入っていて、このレコードを聴いていたからなんだろうけど、細野君の『泰安洋行』でもすんなりとけ込めて、実際キーワードを言われただけで演奏もできたんだよね。カリプソだけじゃなくて、いろんなジャンルの音楽をエルヴィスとハリー・ベラフォンテとビートルズを通して知った。

「 レイ・チャールズ / The Very Best of Ray Charles 」
 - 最初は唄でしびれたけど、ピアノを意識し出したのは、彼からの影響かな -

 アルバムよりもシングルが全盛の時代で、このベストは好きな曲が入っている。最初に買った彼の4曲入りシングルはハンク・ウィリアムスの「ユアー・ティーチング・ハート」とかが入ったもので、すっごく好きだった。だけど実は、彼がピアノを弾きながら歌っているという事を知ったのはずっと後だったんだよ。それからかな?ピアノを弾きながら唄うスタイルに興味を持ちだしたのは。

「 ラムゼイ・ルイス / ハング・オン・ラムゼイ 」
  - 完コピした最初のピアノのアーティスト -

 ラムゼイ・ルイスも大好きなんだけど、実はピアノのアイドルはもう一人、マル・ウォルドロンが居るんだよね。彼は、クラシックを通っていない、我流で弾き始めたようなスタイルも含めて共通しているものがあるので、親近感を感じていたんだよ。ラムゼイ・ルイスはピアノのスタイルがファンキーで、ジャズよりもっとR&B的なアプローチ、それが僕にはぴったり来ている。ピアノでは完コピした最初のアーティスト、僕にとっては影響大。いずれ「The In Crowd」はライヴの余興でやってみようかな。

「 ビートルズ / プリーズ・プリーズ・ミー 」
  - このサウンド・スタイルを真似たくて、一人多重録音を始めた -

 周辺にドラムを持っている人がいない時代だったから、バンドを組む事ができなくて、多重録音で一人ビートルズやストーンズをやらないといけなかったんだよね。家の中にある、いろんな物に工夫をしてドラムの音を作ったりして録音してた。ビートルズの曲を、いろんな人がアレンジしてカヴァーしているじゃないですか、そのアレンジによっていろんな発見や好きな部分が見えてくる、そんなところがアレンジに興味を持った一番の理由じゃないかな。また逆に初期のビートルズもカヴァー曲が多くて、オリジナルと聴き比べてもビートルズの方が断然カッコ良かった。「のっぽのサリー」がエルヴィスより良かったのが、ビートルズを見直したきっかけだったんだ。初めてエルヴィスよりカッコイイ唄い方とバックサウンドを聴いたんだよね。

「 アラン・トゥーサン / The Allen Toussaint Collection 」
  - 黒人でありながらあっさりめの声で、エレガントなサウンドが良いよね -

 僕が1stアルバムを出した頃かな、久保田麻琴君と話していたら、アラン・トゥーサン好きでしょ、とか声が似ているとか言われて、改めて聴いた。根っこのゴスペルとかR&Bを感じさせるサウンドが良いね。全てが好きというよりは「ウィズ・ユー・イン・マインド」と「ナイト・ピープル」と「サザン・ナイト」の3曲が好き。

「 マリア・マルダー / オールド・タイム・レディ 」
  - このアルバムに参加しているミュージシャンとの縁を感じるね -

 確か関西系のシンガー・ソング・ライター、金森幸介に教えてもらったんだっけな。聴いた時点では親しい関係にあったとは知らなかったエイモス・ギャレットやDr.ジョンも参加しているんだよね。マリアは、この頃は頻繁にレコーディングメンバーで一緒にライヴもやっていたらしいよ。すごい良いメンバーだよね。彼女のアルバムにも入っているジェームス・ブーカーは、Dr.ジョン以上にボクは好きだった。そしたら彼女の家に招待されて行った時、ある日パーティーを開いたら、ジェームス・ブーカーがやって来て一日中、マリアの家のピアノを弾いていたんだって!それを録音したテープをもらっちゃったんだよ。


エルヴィス・プレスリー
/さまよう青春
BMG BVCM-37581
ハリー・ベラフォンテ
/カーネギー・ホール・コンサート
BMG BVCP-8713
レイ・チャールズ
/The Very Best of Ray Charles
<輸入 RHINO>
ラムゼイ・ルイス
/ハング・オン・ラムゼイ
MCAビクター MVCJ-19174

ビートルズ
/プリーズ・プリーズ・ミー
東芝EMI TOCP-51111
アラン・トゥーサン
/The Allen Toussaint Collection
<輸入 Reprise>
マリア・マルダー
/オールド・タイム・レディ
WEA JAPAN WPCR-2619


  mints barでは、時間の経つのも忘れて、音楽談義が続いています。
     (注)グッド・タイム・ミュージックの流れる店、mints barは架空の店です。
news!!
  レコミンツにて、下記の佐藤 博関連のCDをお買い上げの方に、
  オリジナル特典(サイン入り佐藤 博製作ポストカード 先着20枚)をプレゼントいたします!
  数に限りがございますので、お早めにお買い求め下さい。
○佐藤 博
/AMAZING II
未開封品
○佐藤 博
/TIME
未開封品
○佐藤 博
/awakening
未開封品
○佐藤 博
/THAT’S ALL RIGHT
未開封品
  
佐藤 博さんのオーダー
ゴッド・ファーザー
ウィスキー 45ml
アマレット・デサローノ 15ml


撮影協力:ラウンジバー瑠璃
東京都中野区新井1-7-1
カーサトモエビル1階

第七夜  おわり
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