mintsBar 今夜のお客様は キリンジ(堀込高樹さん&堀込泰行さん) です  

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”今夜のお客様は
キリンジ(堀込高樹さん&堀込泰行さん)です“
【キリンジ プロフィール】

‘96年10月、兄弟である堀込泰行(ヴォーカル、ギター)、堀込高樹(ギター、ヴォーカル)の2人でキリンジを結成。‘97年、インディ・デビュー盤『キリンジ』を発表。洗練されたサウンドとヒネリの効いた歌詞で一躍注目を集める。‘98年、ワーナーミュージック・ジャパンよりメジャー・デビュー。以降、7枚のオリジナル・アルバムを発表。最新作は‘08年3月リリースのアルバム『7-seven-』。また‘05年には6月に堀込泰行が「馬の骨」として、続く11月には堀込高樹もソロ・デビューを果たしている。‘08年の12月10日にはデビュー10周年を記念して、堀込泰行が作詞作曲したDisc1「YH-SIDE」、堀込高樹が作詞作曲したDisc2「TH-SIDE」からなる2枚組ベスト・アルバム『KIRINJI 19982008 10th Anniversary Celebration』が発売された。

コロムビアレコード キリンジ公式サイト
http://columbia.jp/artist-info/kirinji/

所属事務所NATURALIZEサイト
http://naturalize.jp
除川: いらっしゃいませ。mints Barへようこそ。
高樹&泰行: こんばんは。はじめまして長門さん。
長門: はじめまして(笑)。師走の忙しい時期に来てくれてどうもありがとう。
高樹: 僕らは長門さんがライナーを書かれているレコードやCDをたくさん聴いて育ってきたので、本当にお会いできて嬉しいです。
長門: 僕もキリンジのことはずっと気になっていて、いつか会いたいなと思っていたんですよ。
除川: 早速ですが、お飲み物はいかがいたしますか?
高樹: ではギネスをお願いします。
泰行: 僕も同じものをください。

長門: キリンジの作品はメジャー・デビュー・アルバムの『ペイパードライヴァーズミュージック』から聴いていて。その中の高樹さんが書いた「ニュータウン」って曲の歌詞に、“つるべ落とし”って言葉が出てきて、秋桜子(水原秋桜子=俳人)かって!?(笑)“つるべ落とし”って言葉を使ったのは、たぶん山下(達郎)くんがシュガー・ベイブ時代に書いた「夏の終わりに」以来じゃないかな。
高樹: たしかに“つるべ落とし”って言葉が出てきますね。初期の達郎さんの歌詞って、古風な言葉がさりげなく使われているんですよね。
長門: そういう意味でも、キリンジってシュガー・ベイブにも合い通じる魅力があると思います。サウンドの気持ち良さだけじゃなくて、ちゃんと歌詞も引っ掛かってくるという。
高樹&泰行: ありがとうございます。
長門: 今年がデビュー10周年ということなんですよね。ずっと充実した活動を展開しているから、個人的には、“まだ10年しか経っていないんだ”って感じもあるんだけど、インディ時代を含めると活動自体はもう少し長いんでしたっけ?
泰行: いえ、それほど長くはないんです。インディ時代を含めても12年ぐらいですかね。
長門: じゃあ活動を始めてから割とすぐデビューしているんですね。ちなみにデビューに至るまでの流れはどんな感じだったんですか?
高樹: 僕は、デビューする前にナムコっていうゲームメーカーに務めていたんですけど、当時ラッパーの、かせきさいだぁ≡が同じ会社のグラフィック部で働いていたんですよ。毎回グラフィック部に行くたびに細野晴臣さんの『泰安洋行』とか僕の好きなCDがずらっと並んでいる机が気になっていて、“一体、これは誰の席なんだろう?”って思っていたら、そこが、かせきさいだぁ≡の席だったんです。その後、彼と仲良くなったときに、“僕も音楽やっているんです”ってデモ・テープを渡したんですけど、彼が会社を辞めてしまったんです。しばらく返事が返ってこなかったんですけど、そのデモ・テープをスチャダラパーとか映像ディレクターのタケイグッドマンが絶賛してくれたみたいで。それがキッカケになって、当時かせきさいだぁ≡が所属していた事務所を紹介してもらうことになったんです。
長門: そのとき、すでに兄弟で一緒に活動をしていたんですか?
泰行: そうですね。一緒にデモ・テープを作っては、いろんなレコード会社に送ったりしていました。
長門: グループ名はもう決まっていたんですか?
高樹: いえ、決まっていませんでした。しばらく暫定的に“ホリゴメズ”って名前で活動していたんですよ(笑)。海外だと名字をバンド名にするのって割とザラだから、自分たちもそうしようかなと思ったんですけど、不真面目だと思われる可能性があったので、ちゃんとした名前を付けなきゃいけないよねって話になって。……まあ、ちゃんとした名前で付けたのがキリンジだったっていう(笑)。
長門: 今さらな質問だけど(笑)、キリンジっていうバンド名の由縁はどこからきてるんだろう?
高樹: カタカナで4文字か5文字が一番覚えやすいだろうと。あとは、やっぱり略されないバンド名がいいなと思って。それで辞書を引いていたらキリンジという言葉がちょうど目に付いたんです。
長門: 他に何か候補はあったんですか?
泰行: 特になかったですね。かせきさいだぁ≡からは“「ピーマン80」って名前にしなよ”とか言われましたけど(笑)。
高樹: あれ、どういう意味だったんだろう?まったく笑いどころが分からない(笑)。
除川: ホームページでも“バンド”って表記されていたり、お二人の中で、“キリンジはあくまでもバンドである”っていうこだわりみたいなものはあるんですか? 
泰行: 特にこだわりみたいなものはないんですけど。(高樹に向かって)こだわりとか、ある?
高樹: “ユニット”って呼ばれると、ちょっと恥ずかしいところはあるかもしれないですね。なんかaccessとかTMネットワークみたいで(笑)。
泰行: あと“デュオ”って呼ばれるのも照れくさいんですよね(笑)。
高樹: そうそう。僕らがCHEMISTRYみたいなことをやっていたら紛れもなく“デュオ”なんでしょうけど、決してそうではないし(笑)。結局、やっていることがバンド・サウンドを基調としているので、“バンド”って言ってもらったほうが、しっくりくるんですよね。

除川: メジャー・デビューから10年で大きな転機をひとつ挙げてもらうとするならば、やはりデビュー以来、ずっと一緒にやってきたプロデューサー冨田恵一さんから離れて、セルフ・プロデュースでアルバム『DODECAGON』(‘06年)を作ったあたりになりますか?
泰行: そうですね。冨田さんは音楽的にも僕らのことをすごく理解してくれるし、プロデューサーとしても卓越した技術や理論をお持ちの方なので、僕らがやりたいことを、いつも的確に形にしてくれていたんですけど、一回、違う方向に行ってみようということで、冨田さんから離れて、ソロでお互い好きなことをやってみようっていうことになったんです。
長門: ソロ活動には、それぞれどんな思いで臨んだんですか?
泰行: 僕は、キリンジではあり得ないようなラフな感じだったり、いい意味で適当な感じを自分のソロで形にしてみたいなと思ったんです。それまでキリンジで築きあげてきた基準みたいなものを一回崩して、地ならししてみるのもいいんじゃないかって。
高樹: キリンジでは生演奏をベースにサウンドメイクをしてきたんですけど、ソロをやるにあたって、僕は自分が作った曲をバンド・サウンドではなく、何か別の方法で聴かせることはできないかなと思ったんです。それで打ち込みを大幅に取り入れたりして、キリンジとは違うサウンドアプローチを心掛けてみたんです。やっぱりソングライティングの方法っていうのは劇的には変わらないと思うんです。そうなるとサウンド自体を変えていくしかないんですよね。キリンジで培った和声の感覚とかを踏まえつつ、なおかつ今日的なアプローチで曲を表現するにはどうしたらいいんだろうって。ソロでは、そういう部分をじっくり模索することができました。
泰行: ソロでのチャレンジを経て、『DODECAGON』というアルバムを作ったことで、キリンジとしての新しい方向性が見えてきたんです。そういう意味でも、ソロ活動は個人にとってもバンドにとってもすごく意味のあることでしたね。

長門: ソロといえば、泰行さんのソロ・プロジェクト“馬の骨”のアルバムのオープニング・ナンバーには、すごくビックリしました(笑)。
泰行: ああ、ロバート・レスター・フォルサムの「My Stove's On Fire」ですね(笑)。
長門: あの曲が収録されているアルバム『MUSIC AND DREAMS』が発表された‘76年当時、日本で彼の存在を知っていたのは3人ぐらいしかいなかったんじゃないかな(笑)。僕もリアルタイムでは知らなかったし。泰行さんは、どうやって彼の曲を知ったんですか?
泰行: 昔、レコードの卸のバイトをしていたんですけど、働いていた倉庫に当時CD化された『MUSIC AND DREAMS』がいっぱい並んでいたんですよ。それで“何これ?”って聴いたら、すごく良くて。
長門: エルヴィス・プレスリーのカヴァー「I WANT YOU,I NEED YOU,I LOVE YOU」も意外でしたね。
泰行: エルヴィスは父親が家でよく聴いてたんですよ。それを僕も子供のとき一緒に聴いていて。
長門: 家では、そういう音楽が普通に流れていたような感じだったんですか?
泰行: そうですね。とはいえ、すごく音楽好きな親というわけでもなく。うちの親って、ビートルズ世代よりも少し上で、いわゆる軽音楽と呼ばれるようなハワイアンだったりブルーグラスだったりラテンだったり、そういうものを聴いていた世代だったんです。その時代の音楽って、逆に僕らの世代からすると面白いものが多くて。そういう意味では恵まれていたかもしれませんね。
長門: お二人は年齢が3歳違うんでしたっけ。そうすると最初はお兄さんがレコードを熱心に聴きはじめた感じだったんですか?
高樹: そうですね。最初は家にある親のレコードと、自分が買ってきたスパンダーバレーみたいなレコードを一緒に聴くっていう感じでした(笑)。ホレス・シルヴァーみたいな渋いものが好きな一方、ニュー・ウェイヴも好きっていう、今思えば、すごく変わった中学生でしたね(笑)。
長門: 中学生でホレス・シルヴァーを聴いていたんだ。それは渋いなあ(笑)。ところでムーンライダースの鈴木博文くんは、兄貴の慶一くんが買ってきたレコードを、留守のときに、こっそり聴いたりしていたみたいだけど(笑)、泰行さんもやっぱり同じような感じだったんですか?
泰行: 僕の場合、こっそり聴くって感じではなかったですね。ステレオも家族が集まる居間に置いてありましたし。
高樹: でも、僕の買ってくるCDが、次々と泰行にダビングされていくなとは思っていましたよ(笑)。
泰行: 今思えば、あれは楽でしたね(笑)。兄がある程度セレクトしたCDが入ってきますから(笑)。
長門: “兄貴より先に俺が良い音楽を見つけたい!”とかそういう対抗意識みたいなものは?
泰行: それもあんまりなかったですね。元々、カブらないところもあったんで。
長門: ちなみにカブらないところでいうと、どのあたりになるのかな?
泰行: 僕は、中〜高校生のときはハード・ロックが好きだったんですけど、そのあたりの音楽は兄はそんなに聴いていなくて。それから、いわゆるスリーコードのラフなロックンロールとか、そのあたりも見事に被っていないですね。

長門: 今年の春に発表された最新アルバム『7-seven-』のことも聞きたいんですが、あの作品は7ヶ月連続でデジタル配信されたシングル曲が中心になっているんですよね。
高樹: そうですね。アルバムを想定せずに、割と曲単位で作っていたものが多く入っています。
長門: あまりにも曲が粒揃いだったので、初めて聴いたときは驚いてしまって。
高樹: ありがとうございます。でも、『7-seven-』を作っている最中に、このままデジタル配信が浸透していったら、現状のいわゆる“アルバム”っていう形態が、もしかしたら崩壊してしまうんじゃないかって、ふと思うことがあったんです。14曲とか入っていて、そのなかに良い曲が3曲ぐらいあって、あとは、まあまあ、みたいな、それを僕らはコンセプチュアルなものとして楽しむことに慣れてしまったけど、今後、リスナーは曲単位で音楽を聴くようになっていくように思うんです。そう考えたら、7曲で完結するパッケージとかでも、内容さえ充実していれば成立するんじゃないかって。アーティストサイドも10数曲入ってなければいけないとか、そういう概念に捉われなくなっていくでしょうし。
泰行: 実際、最近のアルバムって収録時間が短いものが、だんだん多くなっていますよね。トータル38分とか、1枚通して飽きずに聴けるような長さになっていて。
長門: 昔のアルバムはだいたい、それぐらいの長さだったよね。たとえば大瀧(詠一)さんの1stアルバムはトータルで26分くらいしかないし(笑)。
高樹: 26分ですか(笑)。
長門: でも本当に、今のアルバムは収録時間が長すぎるよね。やっぱりLP時代の45分程度が僕はちょうどいいんじゃないかと思うけど。
泰行: そうですよね。やっぱりCDで70分っていうのは、ちょっとキツいかもしれないですね。

長門: 最近の話題でいうと、12月10日にはデビュー10周年を記念したベスト・アルバム『KIRINJI 19982008 10th Anniversary Celebration』がリリースされて。このアルバムには「星座を睫毛に引っかけて」っていう新曲が収録されていいるんだけど、すごくいい曲ですよね。
高樹&泰行: ありがとうございます。
除川: ちなみに、この曲はクリスマス・ソングなんですか?
高樹: いえ、クリスマス・ソングというわけでもないんですが、作品が12月にリリースされるということで、多少、年末感があったほうがいいかなと思って(笑)。それから、ベスト盤の中の新曲ってことなんで、ヴォリュームというか、スケール感がないといけないかなと思って作っていったら、自然とクリスマスっぽくなっていったんですよ。
除川: キリンジは冬をテーマにしているものに名曲が多いですよね。
高樹: それ、けっこう、いろんな人に言われるんですよ(笑)。
除川: あえて冬を意識してるところはあるんですか?
高樹: 特に意識してはいないんですけど、曲を書く上で、夏って、なんとなく一方向しかないような気がして……。
泰行: たしかに。冬をテーマにしたら、暖かい曲も作れるし、“寒っ!”っていう痛そうな寒い感じの曲も作れるんだけど、夏は……やっぱり難しいですね(笑)。僕らが暑苦しいタイプの曲を作ってもしょうがないし(笑)。
高樹: でも夏の曲を作らなくちゃ、売れないんじゃないかな(笑)。サザン(オールスターズ)も達郎さんも、売れている人たちには、みんな夏っぽいイメージがあるし。今後は頑張って夏っぽい曲を作ろうか(笑)。
泰行: そうだね。日本もだんだん亜熱帯の気候に近づいているみたいだし(笑)。
長門: (笑)。来年の活動に関してはどんなふうに考えているんですか?
泰行: 来年はとりあえず、またお互いソロをやったり、自由なスタンスで活動してみようかなと思っています。
高樹: 以前はキリンジの活動とソロの活動は、きっちり区分けしていたんですけど、今後はたぶん、ふたつの活動を併行していくような形になると思います。ソロで得たものをうまくバンドに反映していきたいですね。
長門: 今後の活躍も楽しみにしています。じゃあ最後にお二人が影響を受けたレコードを教えてもらおうかな。
●堀込高樹さん

 「 V.A. / BURT BACHARACH HAL DAVID SONGBOOK 」
  −小節数に捉われないメロディの作り方に影響を受けました−
 子供の頃「雨に濡れても」をラジオで聴いて、すごくいいなと思って、そのときの切ない感触をいまだに思い出すことができるんです。ちょっと変わった展開の曲でもキャッチーに聴かせてしまうところとか、すごく影響を受けています。このアルバムはアナログで持っていて、本当によく聴きました。同じ曲を別の人が歌っていたりして、歌い手ごとに曲の魅力が変わったりするのが面白くて。でも、それって、やっぱり60年代ならではなんですかね。作家が曲をシンガーに振りわけて、さあ歌って下さいみたいなスタイルって、たぶん、このくらいの時代までなんでしょうね。

 「 スティーリー・ダン / 幻想の摩天楼 」
  −ギターを弾く人は、このアルバムが好きなんじゃないですかね−
 スティーリー・ダンは中学生ぐらいから聴きはじめました。『彩(エイジャ)』や『ガウチョ』って、すごく完成された作品だと思うんですけど、このアルバムは、彼らが元々持っていたバンドっぽい雰囲気がすごく残っている作品ですよね。ペダルスティール・ギターとかバンバン入っているから、中期以降の作品と同じような感覚で聴くと、野暮ったく感じるのかもしれないですけど、他のアルバムに比べてメロディアスな曲が多いような気もするし、個人的には、すごく好きなアルバムです。

 「 ビーチ・ボーイズ / ペット・サウンズ 」
  −聴くたびに多大なインスピレーションを与えてくれる一枚−
 有名なアルバムばかりで恥ずかしいんですけど(笑)、やっぱりこのアルバムも外せなくて。僕は高校生ぐらいから、ギターで曲を書き始めたんですけど、ギターのコードって、たとえばCだったら、Cのルートに対して、ドミソって感じでメロディを作っていくわけで、そういうやり方で曲を作っていくと、だんだん約束事みたいなものができあがってしまうんです。でも、このアルバムでは、そういう約束事とは関係ないところで曲が出来あがっていて。ベースや和声だとか、すべての要素がメロディに応じて動いているような印象を受けたんです。最近、武満徹をよく聴いているんですけど、『ペット・サウンズ』も武満徹の音楽も、楽器をいっぱい積み重ねて、倍音、倍音で不思議な響きを構築しているっていう部分で、すごく共通しているなって。同じような音楽を作ろうとは思わないんですけど、いつも聴くたびに、良い音楽を作らなければって思わせてくれる一枚です。

 「 マーヴィン・ゲイ / アイ・ウォント・ユー 」
  −キリンジの初期によく聴いた思い出深い一枚−
 マーヴィン・ゲイはタミー・テレルと一緒にやっている時期の曲が好きで、ああいう感じをイメージして、「ニュータウン」とか「君の胸に抱かれたい」といったモータウン調の曲を書いたんです。このアルバムは、もうちょっと後の時期の作品なんですけど、パーカッションがあって、弦があって、管があってっていうフォーマットで、すごく洗練されたコードが使われていますよね。キリンジの初期に僕らが、“こういう雰囲気の作品を作ってみたい”って目指していたようなサウンドなんです。

 「 ポール・サイモン / There Goes Rhymin' Simon 」
  −ポール・サイモンの曲は“さりげなく凄い”−
 すごくシンプルなようでいて、彼の曲をよく聴くと、こんなコーラスが入っているんだとか、こんな音が入っているんだとか、いろんな発見があるんです。歌詞も独特なんですよね。“お前の床は別の人の天井なんだぞ”とか、そういう視点がすごく面白いなと思って。このアルバムの曲ではないんですけど、「時の流れに」の歌詞も凄いことになっていて、最初は“恋人のことを思って、僕はクレイジーになっている”っていう歌なのかと思いきや、後半のほうになると、本当に狂っている人を描いた歌詞にすり変わってるっていう(笑)。彼の曲には独自のユーモア感覚がありますよね。


●堀込泰行さん

 「 クイーン / ジャズ 」
  −アルバムでいうと『ザ・ゲーム』ぐらいまでの作品が好き−
 この『ジャズ』は13歳のときに初めて聴いたんですけど、自分から意識的にレコードを借りにいったりするようになったキッカケが、僕にとってはクイーンだったんです。もともと兄が買ってきた4人の顔が写っている黒いジャケットのベスト盤が家にあって、それを何度も聴いているうちに、僕のほうが兄より気に入ってしまったんです。フレディ・マーキュリーのヴォーカルやブライアン・メイのギターっていう感じではなく、純粋に曲が良いバンドっていう認識で聴いていました。

 「 ポール・マッカートニー / RAM 」
  −ポールの曲をコピーをして、いろんなコードを覚えました−
 ビートルズのレコードはもともと家にあったんですけど、ポールのソロを聴くようになったのは大学生になってからです。このアルバムには、いろんなタイプの曲が入ってるんだけど、どの曲もサウンドの方向性が一貫していて、そこが気に入っています。聴いている回数でいえば、ポールの方が多いから、“ジョン派/ポール派”って話になると、やっぱり僕はポール派なんですかね(笑)。ジョンも好きですけど、僕の中では「イマジン」だけの人にしたくないっていう気持ちがあって。そうしちゃうと思想的な部分だけにスポットが当たって、途端にツマんなくなっちゃう。もうちょっとジョン・レノンの音楽的な部分にもスポットを当てたほうがいいんじゃないかな、とは思いますね。

 「 ティーンネイジ・ファンクラブ / バンドワゴネスク 」
  −このあたりの趣味は兄とはカブっていませんね(笑)−
 60年代とか70年代に青春時代を過ごしたかったって、ずっと思っていたんですけど、20歳のときにこのアルバムを聴いて、やっぱり今の時代に若者として生まれてきてよかったな(笑)と素直に思えたんです。90年代初期に活動していた、いわゆるギター・ポップ・バンドの中でも自分にとっては特別な存在ですね。曲も粒揃いだし本当によく聴いたアルバムです。

 「 ゲイリー・マクファーランド&ピーター・スミス / バタースコッチ・ラム 」
  −栗の渋みにも似た味わい深い作品です(笑)−
 キリンジでデビューする前ぐらいによく聴いていました。ソフトロックなんだけど、いわゆる甘くて可愛い雰囲気のものじゃなくて。柔らかいんだけど、大人っぽくて、聴いていてずっと飽きないんですよね。僕はAORと呼ばれているような音楽は、あんまり好きじゃなかったんですけど、自分にとってのAORっていうのは、もしかしたら、こういう作品なのかなって思ったり。このアルバムも、ことあるごとに聴いていますね。

 「 スティーヴ・ミラー・バンド / グレイテスト・ヒッツ1974-78 」
  −シンプルでムダのない曲をいっぱい書ける人って凄い−
 金太郎飴っぽい感じがすごく好きです。シンプルなバンド・サウンドだからこそ、金太郎飴感が魅力になる感じというか。キリンジの音には影響が現れにくいし、逆にスティーヴ・ミラーっぽさってどうやったら出るんだろうと思うんですけど(笑)、ソングライターとして、すごく憧れてしまいます。ちょっと、いい加減な感じとかも、たまらないですね。


〜堀込高樹さんの5枚〜
V.A.
/BURT BACHARACH HAL DAVID SONGBOOK
Connoisseu VSOP CD 128
<輸入盤>
ビーチ・ボーイズ
/ペット・サウンズ
キャピトル TOCP-50859
(紙ジャケ仕様)

スティーリー・ダン
/幻想の摩天楼
ゲフィン UICY-93519
(SHM-CD仕様)
ポール・サイモン
/There Goes Rhymin' Simon
Rhino 812278900
<輸入盤>
マーヴィン・ゲイ
/アイ・ウォント・ユー
モータウン UICY-6918

〜堀込泰行さんの5枚〜
クイーン
/ジャズ
EMI TOCP-67347
(紙ジャケ仕様)
PAUL McCARTNEY
/RAM
Capitol/EMI Records 46612
<輸入盤>

ティーンネイジ・ファンクラブ
/バンドワゴネスク
ゲフィン UICY-91270
(SHM-CD仕様)
スティーヴ・ミラー・バンド
/グレイテスト・ヒッツ1974-78
キャピトル TOCP-3465
ゲイリー・マクファーランド&ピーター・スミス
/バタースコッチ・ラム
ブッダ BVCM-37571

  mints Barでは、時間の経つのも忘れて、音楽談議が続いています。

キリンジ(堀込高樹さん&堀込泰行さん)のオーダー
ギネスビール

                news!!
                       レコミンツ(PART-1&2)にて、キリンジの2008年12月10日発売
                            『KIRINJI 19982008 10th Anniversary Celebration』を
                           お買い上げの方に 「キリンジ学習手帳」をプレゼントいたします!!
                                  ※特典数満了次第終了とさせて頂きます。
                                   数に限りがございますので、お早めにお買い求め下さい。

KIRINJI 19982008 
10th Anniversary Celebration
※初回生産分のみスリーブケース仕様
※高音質CD「HQCD」採用


※特典付き商品は、完売致しました。
特典「キリンジ学習手帳」
※A6サイズ。(タテ148o×ヨコ105o)
新曲「星座を睫毛に引っかけて」の歌詞、メロ譜、2009年カレンダー、
漢字クイズ、ぬりえ、イラストロジックなどの遊びページが盛りだくさん。
後半はノートになっており、メモ帳としての機能面も充実。
キリンジファンならずとも欲しくなる事間違いナシ!

     (注)グッド・タイム・ミュージックの流れる店、mints Barは架空の店です。

mints Barは、コチラのお店をお借りして、撮影しています。


ラウンジバー瑠璃
東京都中野区新井1-7-1
カーサトモエビル1階
Tel : 03-3387-7906



第二十九夜  おわり
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