mints magazeine 伊藤銀次のBEAT GOES ON  

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#016 2007_1月号
 僕がジョン・レヴェンサールの名前を初めて目にし、興味を持つことになったきっかけは、ショーン・コルヴィンの『A Few Small Repairs』をジャケ買いした時だ。家に帰ってほとんどろくな期待もせず聴いてみたら、これがなかなか予想以上によかった。ショーンのどこか肩の力の抜けた鼻歌風の歌ももちろんすてきなのだが、プロデューサーのレヴェンサールの音処理のセンスに惹かれてしまった。ちらほらとビートルズの匂いが見えかくれするのは、彼がギタリストであるせいなのか、ギターの処理も決して出しゃばらず、どこかジョニー・マーや鈴木茂といった「たたずまい」があるところも気にいった理由だ。僕は、80年代以降のルーツ・ミュージック系プロデューサーでは、T.ボーン・バーネットとミッチェル・フルームが双璧で好きなのだが、ジョンはひさびさに出て来た、この二人の後継者のように僕には感じられたのである。(そういえば、T.ボーン・バーネットは奥さんのサム・フィリップスと組み、ミッチェル・フルームは今は別れちゃったけど、当時奥さんだったスザンヌ・ヴェガとというように、女性シンガーと男プロデューサーという組み合わせでは共通点あり。)

 そこでいろいろ調べてみると、ロドニー・クロウウェルや、なんと昔すごい好きだったマーク・コーンの「Walking In Memphis」の入ったアルバムにギタリストとして参加していたり、とっくの昔に彼は僕のシーンにちらほらと姿を現わしていたことがわかって、ますます親近感が涌いたのだ。僕が入手したCDで最も彼のキャリアで若いものは、たぶんドン・ウォズ・プロデュースのウィリー・ネルソン『Across The Borderline』(すごくヤングな彼のフォトが載ってます)ではないかと思うが、もし、もっと若い時期の彼の関係作品があったら教えてください。今月はそんな彼のポップ・センスが光るCDを3枚紹介したいと思う。まず(1)は冒頭で紹介した『A Few Small Repair』。1曲目の「Sunny Came Home」と10曲目の「Suicide Alley」は必聴!(2)はそれに続くCDだが、さらにレヴェンサールらしいソング・ライティングと音処理が光る秀作。(3)は「永遠のモータウン」で注目を浴びたジョーン・オズボーンを彼がプロデュースした作品。R&Bの名曲のカヴァーが中心で、そのせいか彼の作品の中では、一番本領を発揮しているようで、興味深いCDだ。

(1)ショーン・コルヴィン
/ア・フュー・スモール・リペアーズ
SONY SRCS-8170
(2)ショーン・コルヴィン
/ホール・ニュー・ユー
SONY SRCS-2446
(3)ジョーン・オズボーン
/ハウ・スウィート・イット・イズ
JVC VICP-62127

【伊藤銀次プロフィール】
1950年大阪府生まれ。1972年、バンド「ごまのはえ」でデビュー。
その後「ココナツ・バンク」に改名し、大瀧詠一氏プロデュースのもと活動するが「はっっぴいえんど」解散コンサートの翌日に解散。
解散後は、「シュガーベイブ」「ナイアガラトライアングルVol.1」への参加を経て、ソロ活動を開始。
1980年、佐野元春との出会いがきっかけとなりプロデューサー・アレンジャーとしての活動も始め、ウルフルズなど数多くのヒット・ソングを手掛ける。2003年、「ココナツ・バンク」を再結成しミニアルバム「ココナツ・バンク」発表。
2005年、朋友である杉真理と共にバンドを結成しライブを行うなど、表舞台でも精力的に活動中。

伊藤銀次ファンサイト[BABY BLUE]
http://sound.jp/itoginji/




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