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#014 2006_11月号












 「BRIO」という雑誌で音楽DVDレコメンドの連載を始めることになった。第一回が"Concert For George"。ということで、ビートルズ・オマージュ映画から3枚選んでみた。前回に引き続き、今月もサントラ物で行くぜ!

 まず(1)は、ビートルズが全米に上陸した1964年にペンシルバニアの田舎町から出た「ワンダーズ」というローカル・バンドがスターダムを駆け昇っていくお話。あのトム・ハンクスの初監督作。自らも彼等を発掘して売り出していく「プレイトーン・レコーズ」の敏腕プロデューサー役で出演している。架空のグループなので、中で使われる曲はすべて書き下ろしのオリジナル。なんとトムも数曲書いていて、どの曲も64年当時の雰囲気を醸し出していて、なかなかの名曲揃いだ。もちろん、DVDを見てから聴いたほうが思い入れたっぷりで聴けるが、いきなりサントラから入っても普通にナイスなアルバムとして楽しめるCDだ。特に彼等のヒット・シングル、映画のタイトル・チューンの「That Things You Do」は、あのFountains Of Wayneのアダム・シュレシンジャーの作曲で、初期ビートルズをものの見事にパロった名曲。(300曲の応募作から選ばれたらしい)間接的ではあるが、トムのビートルズへの想いを感じさせる作品だ。

 (2)は、ビートルズ・ファンであり、モンティ・パイソン好きならたまらないザ・ラトルズのファースト。元々は、TVの特番用に作られたビートルズそっくりの、しかもずっこけた結成から解散までのドキュメント風のヒストリー。ポール・サイモンやミック・ジャガー、ジョージ・ハリソンなどすごいメンツが出て、この嘘話を盛り上げているが、なんといってもニール・イネスが作曲したビートルズもどきの曲達がすごい。
 多分、ビートルズのメンバーもこれにはパチパチものだったのではないだろうか。なかでも「ヘルプ」をパロった「アウチ」は抜群!加えて「チーズ・アンド・オニオン」は後期ビートルズの難易度の高いパロディで秀逸だ。DVD必見!CD必見聴!

 (3)は、ビートルズ・デビュー前、ハンブルグ時代のメンバーだったステュ・サトクリフが主人公の映画のサントラ。残念ながらDVD化されていない。音楽プロデュースは、ドン・ウォズ。サーストン・ムーア等のオルタナ系のミュージシャンを起用、これが見事にデビュー前の荒々しいビートルズを再現させていてリアルな説得力あり。ウルフルズのプロデュースの際、随分参考にしたアルバムだ。
 
(1)O.S.T./
すべてをあなたに
EPICソニー ESCA-6640
(2)O.S.T.
/The Rutles
Warner Bros. HS-3151
<輸入盤>
(3)O.S.T.
/バックビート
東芝EMI TOCP-8127

【伊藤銀次プロフィール】
1950年大阪府生まれ。1972年、バンド「ごまのはえ」でデビュー。
その後「ココナツ・バンク」に改名し、大瀧詠一氏プロデュースのもと活動するが「はっっぴいえんど」解散コンサートの翌日に解散。
解散後は、「シュガーベイブ」「ナイアガラトライアングルVol.1」への参加を経て、ソロ活動を開始。
1980年、佐野元春との出会いがきっかけとなりプロデューサー・アレンジャーとしての活動も始め、ウルフルズなど数多くのヒット・ソングを手掛ける。2003年、「ココナツ・バンク」を再結成しミニアルバム「ココナツ・バンク」発表。
2005年、朋友である杉真理と共にバンドを結成しライブを行うなど、表舞台でも精力的に活動中。

伊藤銀次ファンサイト[BABY BLUE]
http://sound.jp/itoginji/




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