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#012 2006_9月号












 このあいだ杉真理君にドナルド・フェイゲンの『Concepts For Jazz/Rock Piano』というビデオを貸してあげたら、とても喜んでくれた。このビデオは、ピアニストのウォーレン・バーンハートのナビゲーションの下に、スティーリー・ダンのドナルド・フェイゲンがスリー・コードのブルースをどう発展させて、スティーリー・ダンの各曲を作曲してきたかを説明してくれるという、なんともファンならば垂涎の謎解きビデオなのだが、長いつきあいなのに、はずかしながら、杉君がスティーリー・ダンの大ファンだってことを初めて知った次第である。そのビデオがなんと最近(2004年)DVD化され、迷ったあげくやっぱり買ってしまった。mints Barで語ってたように、やっぱりスティーリー・ダンは僕にとって特別な存在だからね、これでビデオの方がもつれて切れても大丈夫ってことで、今月はスティーリー・ダン特集かなって、思わせて、そうはいかないのが銀次らしいというか、ちょっとフェイント、今月は「スティーリー・ダン症候群」でいこうと思う。
 80年代中期から後期にかけて、なぜかスティーリー・ダンぽいグループがイギリスから大挙して出て来たという、ミラクルな現象があった。これを今月は紹介しようかな。
 まずは、(1)のスコットランド出身のダニー・ウィルソンのファースト。すごくスティーリー・ダンぽい収録曲の「メリーズ・プレイヤー」がアメリカで大ヒットした。(キャメロン・ディアス主演の映画『メリーに首ったけ』の中で挿入歌としても使われてた)サウンドの時期的には、『嘘つきケイティ』や『プリッツェル・ロジック』の頃のスティーリー・ダンかな。中心人物のゲイリー・クラークの才能が光る。最もスティーリー・ダン症候群なグループ。ゲイリーはその後、ソロ・アルバムを出した後、米国進出を果たしたジュリア・フォーダムのために曲を書いている。
 (2)はグラスゴー出身のディーコン・ブルー。グループ名をスティーリー・ダンの「Deacon Blues」から取っているけど、サウンドはそれほどスティーリー・ダンぽくはないが、まじめな音作りはぽいかも。サウンド的にはセカンドだが、ぽいのはファースト。「Dignity」は名曲。(3)のチャイナ・クライシスはウォルター・ベッカーにプロデュースを頼んだほどのダン好きだが、むしろこのアルバムのほうが完成度は高いと思う。ダン好きだけじゃなく、ちゃんと音作りしてる音を楽しみたい人にお薦めだ!
(1)DANNY WILSON
/MEETS DANNY WILSON
VIRGIN CDV 2419
<輸入盤>
(2)DEACON BLUE
/RAINTOWN
CBS 450549 2
<輸入盤>
(3)チャイナ・クライシス/
ホワット・プライス・パラダイス
ヴァージン・ジャパン
VJD-28219

【伊藤銀次プロフィール】
1950年大阪府生まれ。1972年、バンド「ごまのはえ」でデビュー。
その後「ココナツ・バンク」に改名し、大瀧詠一氏プロデュースのもと活動するが「はっっぴいえんど」解散コンサートの翌日に解散。
解散後は、「シュガーベイブ」「ナイアガラトライアングルVol.1」への参加を経て、ソロ活動を開始。
1980年、佐野元春との出会いがきっかけとなりプロデューサー・アレンジャーとしての活動も始め、ウルフルズなど数多くのヒット・ソングを手掛ける。2003年、「ココナツ・バンク」を再結成しミニアルバム「ココナツ・バンク」発表。
2005年、朋友である杉真理と共にバンドを結成しライブを行うなど、表舞台でも精力的に活動中。

伊藤銀次ファンサイト[BABY BLUE]
http://sound.jp/itoginji/




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