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#011 2006_8月号
昔、70年代に、吉祥寺にだったと思うが、芽瑠璃堂という外盤レコード店があった。なぜその名前を今に至るまで覚えていたかというと、当時、シュガー・ベイブ周りで人気沸騰、されど入手困難だった『Full Moon』のアルバムをなんとかゲットできたお店だったからである。まだフュージョンやクロスオーヴァーがブームになる以前にすでに、その先駆的サウンドを作っていたこのグループのこの1枚はなんともかっこよかった。特にギタリストのバジー・フェイトンのプレイには、すっかりまいっていたのである。その後、メンバーだったニール・ラーセンがブレイクし、ラーセン・フェイトン・バンドとしても人気を博すが、それに比べると当時の世の中でフル・ムーンの知名度は信じられない程低かった。レーベルがダグラスという小レーベルだったせいもあって、多分、CD化されることなんかあるわけないと思っていたら、なんと2000年に、我が長門芳郎編集長の尽力で見事にCD化されたのには感動の嵐。感謝感謝の心をこめて、今月は、そのバジー・フェイトンの名演が聴けるアルバム3枚ご紹介!
まずはそのフル・ムーンの名盤の(1)。今聴き直しても、本当にいい曲揃い。その後のフェイトン・ラーセン関連も悪くはないが、このアルバムを聴いてしまうと、にわかに色褪せてしまう気がしてくるほどだ。メロディックなのに。リズムのエッジの効いたバジーのギター・ソロがいつ聴いても心地よく刺激的だ。ギターを志す者には永遠のバイブル、星五つで一家に一枚、必携だ!
続いてバジーが後期ザ・ラスカルズに残した名演が聴ける『Island Of Real』(2)。とりわけ「ジャングル・ウォーク」のリズム・ギターはその天才ぶりを発揮していてかなりすごい!ので、要チェックだ。そしてそのザ・ラスカルズのリーダー格のフェリックス・キャヴァリエのセカンド・アルバム『Destiny』(3)にも参加、なかでも、「Flip Flop」のギター・ソロは、ファンなら一度聴いただけですぐに彼とわかる魅力的なソロだ。
最後に余談をひとつ。1988年に七尾旅人君の録音でロスに行った際、外人エンジニアの計らいで、バジーに会うことができたのだが、プロデューサーとして紹介されたため、天まで昇りそうな心とは裏腹に、表向きクールに振舞ってしまった。今思えば、あの時、我を忘れて彼からいろんな話を聞いておけばよかったと、今さら後悔している次第である。
(1)FULL MOON
/FULL MOON
ドリームズヴィルYDCD-0117
<限定紙ジャケット仕様>
(2)THE RASCALS
/THE ISLAND OF REAL
SUNDAZED 6132
<輸入盤>
(3)FELIX CAVALIERE
/DESTINY
JVC VICP-60303
【伊藤銀次プロフィール】
1950年大阪府生まれ。1972年、バンド「ごまのはえ」でデビュー。
その後「ココナツ・バンク」に改名し、大瀧詠一氏プロデュースのもと活動するが「はっっぴいえんど」解散コンサートの翌日に解散。
解散後は、「シュガーベイブ」「ナイアガラトライアングルVol.1」への参加を経て、ソロ活動を開始。
1980年、佐野元春との出会いがきっかけとなりプロデューサー・アレンジャーとしての活動も始め、ウルフルズなど数多くのヒット・ソングを手掛ける。2003年、「ココナツ・バンク」を再結成しミニアルバム「ココナツ・バンク」発表。
2005年、朋友である杉真理と共にバンドを結成しライブを行うなど、表舞台でも精力的に活動中。
伊藤銀次ファンサイト[BABY BLUE]
http://sound.jp/itoginji/
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