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#008 2006_5月号












 昨年は、自伝や映画など、ひさびさにボブ・ディラン関係のマテリアルが、音楽マーケットをにぎわかし、熟年ロック・ファンを楽しませてくれた。ディランといえばこのように、ビートルズやストーンズと並んで、ほぼ半世紀に渡って人気を誇るグレイトな存在ではあるが、これほど多くのアーティストにカヴァーされ続けてきたソングライターも少ないだろう。今月紹介するのは、そんなディランの楽曲に魅入られ、たぶん一番たくさんの、しかもディランの未発表曲(当時)をカヴァーしてきた男、トム・マクギネス関係から3枚。
 トム・マクギネスは、60年代にポール・ジョーンズやマンフレッド・マン等と「マンフレッド・マン」、70年代にはジョン・メイオール&ザ・ブルースブレイカーズのドラマー、ヒューイ・フリントや、作曲家チームのギャラガー&ライル等とマクギネス・フリントで活躍したベーシスト/ギタリスト。彼のディランへの傾倒ぶりは第一期マンフレッド・マンの時のディランの未発表曲「If You Gotta Go-Go Now」のカヴァーに始まる。ディラン自身も発表してない楽曲にふれることができたのは、どうやらマンフレッド・マンのマネージャーがイギリスでのディラン作品の出版権を扱っていたためらしい。そんなトム・マクギネスのマンフレッド・マン・チャプター2が飛ばした大ヒット曲が(1)に含まれる「The Mighty Quinn」だ。なにしろディラン自身がラジオで聞いて驚いたという逸話がある。チャプター2はディラン以外にも、ランディ・ニューマン(So Long Dad)やジョン・サイモン(My Name Is Jack)、ジェフ・スティーヴンス(ミスター・ジェイムスの花嫁さん:ニュー・ヴォードヴィル・バンドの発起人)など選曲のセンスが良かった。そして、ディラン好きが高じて、ついに72年に発表されたのが、(2)の『Lo And Behold』だ。全曲当時ディランの未発表作品、2004年にCD化されたが、72年当時は「Coulson,Dean,McGuiness & Flint」となっていた。ラフなサウンドながら、貴重なディラン・カヴァー集だ。(3)はマクギネス・フリントのベスト・アルバム。イギリスで大ヒットした「When I'm Dead & Gone」や「Happy Birthday Ruthy Baby」など名曲揃い、ディランの楽曲はないが、当時はイギリスのザ・バンドと異名をとったほどのナイスなルーツ・ミュージックで超オススメ!影に隠れて見えにくいが、トム・マクギネスのセンスがやっと実ったグループだったと思う。

(1)THE MANFRED MANN :CHAPTER TWO/
FONTANA YEARS
POLYGRAM PLG522665
<輸入盤>
(2)COULSON,DEAN,McGUINESS FLINT
/LO AND BEHOLD
RAVEN RVCD62
<輸入盤>
(3)McGUINESS FLINT
/THE CAPITOL YEARS
EMI
<輸入盤>

【伊藤銀次プロフィール】
1950年大阪府生まれ。1972年、バンド「ごまのはえ」でデビュー。
その後「ココナツ・バンク」に改名し、大瀧詠一氏プロデュースのもと活動するが「はっっぴいえんど」解散コンサートの翌日に解散。
解散後は、「シュガーベイブ」「ナイアガラトライアングルVol.1」への参加を経て、ソロ活動を開始。
1980年、佐野元春との出会いがきっかけとなりプロデューサー・アレンジャーとしての活動も始め、ウルフルズなど数多くのヒット・ソングを手掛ける。2003年、「ココナツ・バンク」を再結成しミニアルバム「ココナツ・バンク」発表。
2005年、朋友である杉真理と共にバンドを結成しライブを行うなど、表舞台でも精力的に活動中。

伊藤銀次ファンサイト[BABY BLUE]
http://sound.jp/itoginji/




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