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#003 2005_12月号
ギターの世界で「速弾き」といえば、ヘビーメタルのギタリストを思い浮かべてしまう人が多いと思うが、その昔「速弾き」といえば、やっぱカントリー・ピッカーに止めを刺したものだ。ジミー・ブライアントやジョー・メイフィスがその代表的なギタリスト達だが、その系譜をロックの時代に引き継いでいるのがアルバート・リーだ。あのエリック・クラプトンのサポート・バンドの一員として来日した折、日本でもファンが増えた。あんなバカテクなのにちゃんとメインを立てるプレイをしていたところに、彼のキャラの良さを感じて、さらに好きになったものである。さらに速弾きだけでなく、チッキン/ピッキング、ダブル・ストップ、チャイム奏法から、あのクラレンス・ホワイトに端を発するストリング・ベンダーによる技まで、ありとあらゆる奏法をマスターしている彼が、なんと英国人だというのも驚きだ。他にもすぐれたギタリストは数々いても、総合力では彼に勝る人はいないんじゃないかと僕は思っている。
さて、そんな彼のプレイが聴けるCD、まず1枚目は、エミルー・ハリス1976年発表の『Luxury Liner』(1)。当時、アルバートは、エミルーのバック・バンド、ザ・ホット・バンドのギタリストだった関係で、ほぼ全曲に参加しているが、目玉はやはりアルバム・タイトル曲。正確無比なマシンガン・フレーズにはあのヴィンス・ギルも舌を巻いたという。ありがちな機械的速弾きとちがい、リリカルに歌い上げているところが彼らしい。
続いて、(2)はアルバート・リーを語る上で絶対にはずせない1枚、『ハイディング』。スピーディなバンジョー・リックで始まる、アルバム1曲目の「Country Boy」でのギター・プレイはとても人間技とは思えない、すごいプレイなので、ぜひ聴いてみてほしい。
(3)の『Speechless』は、文字通りインストルメンタルのみのアルバム。彼のヴォーカルもなかなか渋くて魅力的だが、ギター・プレイをたっぷり楽しみたい人にはこれ。なかでも「T-Bird to Vegasu」 と「Arkansas Traveller」は要チェック。
この3枚以外にも、80's英国ロカビリーのシェイキン・スティーヴンスとのスタジオ/ワークなどもタイトでグッド。さらに奏法を研究したい人は、『Country Legend』や『Highlights』などのDVDも出てるのでチェックしてみては?ただし参考にこそなれ、ただただスゴイとため息するだけに終わるだけかも。
(1)EMMYLOU HARRIS
/LUXURY LINER
WARNER BROS. R2 78130
<輸入盤>
(2)アルバート・リー
/ハイディング
ユニバーサル UICY-3353
2002年3月発売
(3)ALBERT LEE
/SPEECHLESS
EDSEL EDCD 547
<輸入盤>
【伊藤銀次プロフィール】
1950年大阪府生まれ。1972年、バンド「ごまのはえ」でデビュー。
その後「ココナツ・バンク」に改名し、大瀧詠一氏プロデュースのもと活動するが「はっっぴいえんど」解散コンサートの翌日に解散。
解散後は、「シュガーベイブ」「ナイアガラトライアングルVol.1」への参加を経て、ソロ活動を開始。
1980年、佐野元春との出会いがきっかけとなりプロデューサー・アレンジャーとしての活動も始め、ウルフルズなど数多くのヒット・ソングを手掛ける。2003年、「ココナツ・バンク」を再結成しミニアルバム「ココナツ・バンク」発表。
2005年、朋友である杉真理と共にバンドを結成しライブを行うなど、表舞台でも精力的に活動中。
伊藤銀次ファンサイト[BABY BLUE]
http://sound.jp/itoginji/
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